セイジ 陸の魚のレビュー・感想・評価
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伊勢谷友介の世界
伊勢谷友介が監督だってことを知らずに鑑賞。
しっかり自分の世界がありそうやなぁーこの監督。なんて思ってたら伊勢谷さんだったのね。
先日、大麻で捕まっちゃったからその事件の前と後で、彼のイメージも変わってしまうのがとても残念。
映画自体は、間が長いし、静かだし、映像はとても美しいが少し暗くて、時々ドキッとするような部分もあって。
西島秀俊さん扮するセイジのような人間は、確かにこの世の中に存在すると思う。伊勢谷さんはセイジみたいな人なんじゃないかなぁと彼の今までの活動をみていると思うし、だからこそ、そもそもの原作を映画にしたかったのかな。
人間のエゴだとか、世の中の不条理だとか。
言い出すとキリがないことをこうやって言葉にして出していると、悲しくなってくるけれど、セイジのように、多くを語らず、でも心の中にいろんな悲しみを積み重ねそれを抱えながら生きている姿は素敵に見えた。
出演者が演技力のある方々ばかりで魅力的だし、豪華なところも良い。
映画としては独特で、娯楽映画ではないかな。
陸の魚
役者が監督をする、これもある意味魚が陸で生きるようなことなのか。
とにかく芝居の間とか余韻が長すぎて、眠すぎる。間を詰めた会話と間を詰めない会話で伝えられる事は変わらないのだと思う。役者の生理で演出して編集してしまうとこうなるということか。
無差別殺人犯にも人を殺す理由くらいあると思うんだが、どうしてこの集落で殺人が起きたのか。それが分からないので殺人から話がいかにも取ってつけ。
静かに、淡々と。
好きな俳優である西島秀俊と森山未來がW主演。だからこの映画をみることにした。
原作も伊勢谷友介もよく知らないので、特に何か期待していたわけでもなく。
時系列が前後したり、異なる視点で同じ時間を撮ってみたり、静かに揺れるカーテンを撮ってみたり、と。「みやすい映画」では決してなかった。
だが、伊勢谷友介とは、「撮りたいもの」がしっかりある監督なんだな、と。そう感じた映画だ。
セイジは「他人よりも世界が見えすぎる」。そのためにうまく生きられない。
前半は、静かに、淡々と。セイジや彼を取り巻く人たちと、大学生の僕の出会いと交流が描かれる。
伊勢谷監督の撮りたいものが、至るところに散りばめられているという印象をうけた。
どこか非現実的な、ふわふわと宙を舞っているような。私にとって心地よい時間であった。
そしてある日事件は起きる。
西島秀俊、森山未來だけでなく、彼らを取り巻く役者たちもかなりの好演だった。
非現実的ともいえる時間でありながら、それぞれの人物はものすごく「リアル」だった。
特に、口数が極端に少なく表情もほとんど変わらないセイジを演じた西島秀俊は、さすがである。
「生きにくい」という感覚それ自体はまったく理解できなくはないが。やはり彼は非現実的な存在だ。
そのセイジに命を吹き込むような西島秀俊の演技は、とても印象に残った。
静かに、淡々と。しかし心に何かを残していく。きっと、またみたくなる。私にとってはそういう映画となった。
浮世離れ
浮世離れしている。
登場人物のキャラクター、人との関わり方、仕事や出来事、景色などに現実感がないのだ。
そのくせ次の展開が読めるので、スリルもない。
西島くんと森山くんの二人ともなに考えているかわからないキャラなので、ひたすら寡黙なシーンが続いて不思議ちゃんな映画になったとは思う。
それは得をした点だろう。
面白いんだかつまんないんだか分からない作品だ。
イタ、キモチヨ、イ、ギャップ
「あしたのジョー」などで、俳優としても高い評価を集める伊勢谷友介が監督を務めた、「CUT」の西島秀俊、「モテキ」の森山未來のダブル主演で描く青春群像劇。
ストーリーとしては、いたってシンプルである。未来に対して漫然たる不安を抱える青年が、旅の果てにたどり着いた片田舎のドライブイン。そこで出会った、心に深い闇を抱えた男性との交流を通して、生きること、自分自身、そして自分を包む世界を知る。
ベストセラーとなったらしいが、決して高い注目を集めた訳ではない原作の映画化。スタートからの悪条件を覆し、なぜこの物語が大手配給会社の手に掛かる作品となったのか。それは、言わずもがな。
監督が、伊勢谷友介だから、である。
映画、テレビドラマにおいて、女性を中心に多くのファンを獲得している人気俳優、伊勢谷友介。どこか間の抜けたしゃべり方をしておきながら、その内容を聞いていると、実は世界を見つめ、正しく批判する鋭く、危険な知性に満ちている。私自身、そのギャップに強く興味を抱いている。
8年振りにメガホンを撮ったという本作でも、その不穏なギャップを強く感じさせてくれる。
森山未来、西島秀俊。津川雅彦。どんな作品で拝見しても、どこか「ああ~めんどい」な空虚感、斜に構えた皮肉溢れる味わいが魅力の役者をメインに据えるキャスティングに予測する脱力世界。前半部に散りばめられた、柔らかいユーモアとのんびりした空気は、まさに一昔前の日本映画が得意としていた「ゆるい」ドラマ。
だが、物語を読み進めて気が付くのは、その冷たさ、鬱屈、違和感に満ちた不条理。血に溢れ、痛みが暴れだし、まさかの結末・・・。それは、これまで青春という言葉を後ろ盾に、陳腐な恋愛ドラマで満足してきた日本映画にはない厭らしさがある。怖いのは、怖い。だが、その裏で確かに息づく冷酷な世界に立ち向かう視線、意欲に、観客は少なからず安堵し、勇気を持てる。
これは、何だ。批判覚悟で言えば、そう、痛、気持ち良い。そういう事だ。
ここまで、自分の魅力を作品に強く反映させる映画監督も珍しい。掴みどころのない端正なルックスの中に潜む、毒、傷。「どっか、危ないぞ」この切れ味良さそうな雰囲気に、大手のバイヤーさんは魅せられ、全国配給に乗っけた。
単純に西島の美しさ、森山の儚さで目の保養が出来ると考え鑑賞する素敵女子を、徹底的に叩き潰す闇。そうか、ここにもあったか、危険なギャップ。
映画監督、伊勢谷友介のもつ批判精神。そして、その危険な棘を巧妙に隠して女子を誘い込む、技をまざまざと見せつける一本。この妖しさは、きっと、癖になる。
役者が良いだけじゃなく
原作モノですが、伊勢谷監督いいじゃないですか!特に前半。心象風景的なカット割りに中だるみするかも知れませんが、気は抜けません。渋谷慶一郎のサントラも買い。僕も今月で大学卒業20年、良い20年だったのでしょうか…。★4.0 http://coco.to/4034
ひとのいたみを知るということ
自転車の事故がもとで、あるお店に住み着くことになった青年と、
そのまわりの 傷をかかえる人たちとを描いた作品です☆=
圧巻!!!でした!
伊勢谷さんのアートセンスあふれるカット割りで、
不安定だけれど目が離せない、
無力だけれど激しい世界へと少しづつ誘いこまれます。
セイジというキャラクターが、何も語らないのにとても魅力的♪
裕木奈江さんは、いつの間にか大人の女優さんになってらして、
濡れ場などのシーンも、無駄のないお身体で、ステキでした♪
顔も相変わらず可愛らしい。。(#^0^#)
とりあえず、この作品の「きも」は一瞬ですので、
トイレに立つときはお気を付けください(笑)
伊勢谷さんが この前テレビで、むなしくなった時があった。と話してらしたのを、
思い出しながら見ました。
「彼には世界がよく見えすぎるんだ」。。。
劇場で見ることを、是非、おすすめします。
電気が走りますよ!!! vvv ^-^
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