「過去の鍵を開けて」サラの鍵 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
過去の鍵を開けて
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1942年、ナチス占領下のパリ。
10歳の少女サラは、幼い弟を納戸に隠して鍵を掛けるも、そのまま家族と共に収容所へ送られてしまう。
現代。
ジャーナリストのジュリアは、自分の住むアパートでかつて起きたユダヤ人家族の悲劇を取材する内、サラの事を知る…。
あらすじを読んだだけでも胸痛まずにはいられない。
ナチスのユダヤ人迫害によって引き起こされたある家族の悲劇。「アンネの日記」とはまた違う痛切な話だ。
ストーリー展開としては、その悲劇を機に辿る数奇な運命に焦点が当てられている。
弟を救いたい一心で収容所を脱走したサラ。親切な人の助けで家に戻るも…。
さらに取材を続けていくと、ジュリアは、夫の家族がサラの件に関わっている事を突き止める。
自らに重い十字架を背負ってしまったサラ。
事情を知る関係者はこの悲劇を秘密にする。
重く悲しい話ではあるが、過去と現在が交錯するミステリー仕立てで一気に見てしまう。
悲しみの先にある深く静かな感動は余韻が残る。
ジュリア役のクリスティン・スコット=トーマスが好演。
サラ役の女の子の瞳が忘れられない。
自分の下手な文で語るより、まずは見てほしい。
秀作!
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