イグジット・スルー・ザ・ギフトショップのレビュー・感想・評価
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MBWはアーティストと言えるのか?
カメラ好きのティエリーの被写体は家族や、街の人、とにかく誰でも撮り続ける。ある時、ストリートアートの素晴らしさに気付き、アーティストを追いかけて撮りつづける。バンクシーに会うキッカケがあり、バンクシーも撮り続け、ストリートアートのドキュメンタリーとして映画にする。なんとか映画にまとめて、バンクシーに見せると、あまりの出来の悪さにバンクシーが俺がティエリーを主人公にした映画を作る、となってできた映画。確かにティエリーの映画はダメだったんだろうなあ。撮り溜めた映像は日付もタイトルも何も付けずにただ撮りっぱなし、どこに何があるかもわからない状態のものを適当に繋げただけなんだろう。バンクシーから見たティエリーを収めたこの映画のティエリーはあまり計画性がなく、勧められるままに自らMBWと名乗りアーティスト活動をして,個展まで開くが、まるで計画性がない。観ていてイライラするほど。たまたま個展は成功し、本人は今もストリートアーティストのつもりでいるようだが、個展が成功したのも、バンクシーや他のアーティストの名を出して宣伝に使ったからでは?ストリートアートのことをよく分からないのに、言うことでもないと思うが、映画を見る限り、彼はただいろんなアーティストの真似をしているだけに思える。
バンクシーとティエリーがディズニーランドに風船の人形を置く場面があったが、9月11日直前で警備が厳しいのに、風船が入った手荷物を見過ごす手荷物検査って緩すぎない?
後、ティエリーの奥さん、心が広いなあ、仕事も辞めて、カメラを手に好き勝手する旦那さんを怒りもせず認めている。奥さんが偉い❗️
何をもって成功なのかは‥
誰もわからない。結局それはお金なのか、他人からの名声なのか、自身が思うのしかない。非常に面白いドキュメンタリーだった。バンクシーの物事の捉え方に改めて恐れ入った。ティエリーはストリートアートを記録撮影するのには間違いなく長けていたし、その情熱は凄まじい。だからこそ、バンクシーを含む稀代のアーティストたちが彼を信頼し、撮影を任せたのだろう。けれど、それを映画化する監督的才能はなかった。ましてや自身がアーティストとして展示会を開くなどは全く才能がなかったと思う。そもそも彼自身が制作しておらず、ディレクションしてるだけ(それも全てではなく)で、ショーの構想がない。ある意味、宣伝や運営などはプロに任せても良いと思う。アーティストは制作さえすれば良いのだから。しかし、彼は肝心な制作をしていない。。けれど、世の中は面白いもので、バンクシーやその他のアーティストの宣伝のお陰でショーは大成功を収め、一躍ニュースターとして誕生する。地道に個展を開いて徐々に認められていく過程をすっ飛ばし、一気に名声を得る。この名声は本当にアートを理解している人たちから得たものではなく、ミーハー的な要素を多分に含む。それをバンクシーが世の中の風潮として皮肉に表している、それを表現したかったのではと思う。どう映画としてまとまるのだろうと思っていたが、これこそがこの映画の面白いところ。しかし、バンクシーがアート活動をしてみればと言ったことから、本人が暴走してしまった手前もあるかもしれない。あくまでも小さなショーでとは言ったけど。アーティストの善意、好意がそうさせてしまった副産物、シェパードの言った人類学的、社会学的に検証が必要とは正にその通りだと思った。
珍しい人生の切り開き方
斬新過ぎる切り口。何じゃこりゃ?!
続けることで開けた成功なんだろうなぁ。ただし引き金がひでぇwww
まさかの結末。釈然としないような、それはそれでスカッとするような。。。
序盤はストリートアートの資料、ドキュメンタリーとして一級品。主人公ティエリーが映像を撮り溜めてるだけってとこから展開が変わる。バンクシーが監督をする理由やその行動がティエリーの人生を大きく変えるのだが、棚ぼた要素も大きいが、本気で撮影や被写体に肉薄する取り組みが引き寄せた人生でもある。
でもなんだか釈然としないんだよなぁ〜。
面白い作品でした。
ちなみに100席ちょいのスクリーンで4人の観客でした。もっと客が多くてもいい作品だと思いました。
痛快ドキュメンタリー!
撮影中毒者が撮ってたら撮られる側に。
そしてまさかの大成功。
自分の知識不足でMBWの事は全く知りませんでしたが、なんか痛快でした。
掟破りの行動で、アウトローな筈のストリートアーティストが苦々しく思う存在って面白すぎ!
アーティストってか、アートディレクターですよね!?
そして、メディアの印象操作に左右されるアートの評価基準はやっぱり分かりません!
現代アートの本質を知る
現代アートの価値って、認知度によってしまう。知られているから価値が増す。ヒップホップ的感性から生み出される作品は特にその作品そのものの本質を読み解く以上に「斬新さ」という言葉が劇中でも繰り返し使われるように評価されやすい。
もちろん、アートは受け手がどう感じるかが重要ではあるが、作者の背景、テーマの連続性、描き出す時代性があってこその作品である。
バンクシーが本人の他の作品同様、この映画を強烈な風刺として撮る事が、最高にアート。
やっぱりアートって素晴らしい。コロナ禍過ぎたら早く美術館行きたいなぁ。
バンクシー自身のドキュメンタリーではありません
映画サイトのレヴューなど一斉見ず、予告編だけ観て『見たい!』と思い鑑賞しました。
予告編だけ見ていたのでバンクシー自身のドキュメンタリーだとずっと思って
いたのですが主人公は全く違いました。(笑)
メインはビデオを撮るのが趣味の映像作家。
大物アーティスト達の取材をしていた彼はバンクシーをきっかけに超有名人に。
その結果、推薦したアーティスト達ははっきりとは言わないけれど
『こいつには才能がない』と悟った話…(?)そう私は解釈しました。
最後の推薦人の辛辣な意見が面白かったです。
本物を知る男 バンクシー
この作品は話の盛り上がりとしてはホントに徐々になので、
中盤まで集中力が要される。
しかし、ティエリーとバンクシーが出会ったあたりから、
俄然面白くなっていく。
最後の個展に集う客のコメントに失笑してしまうが、
これは裏話を知っているから失笑するのであって、
実際自分がLAで一般客としてこの個展に行き、
コメント求められたら、
「いやー、MBW、サイコーっす!」と言ってしまうと思う。
本物の玄人とかプロの世界というモノは、
世間とはかけ離れた深さのレベルを知っていて、
その価値観というのは一般的には理解されないもんだなと、
でも世間的に「成功」する人はその価値観とは関係ないんだと、
この皮肉が何だかズキズキくる。
いろんな事を知った風で話している自分が恥ずかしいと思った。
でも自分はプロではないので勘弁して下さい。
これを観ながら笑っている自分にドンヨリします
ビデオ撮影が趣味の古着屋の店主、ティエリーはストリートアーティストの従兄弟を撮影しているうちにストリートアートの世界にのめり込み、様々なアーティスト達と交流を重ねるうちについに世界中でゲリラ的に活動するストリートアートの巨匠バンクシーの撮影を手掛けることになるが、ティエリーには全く映像センスがないという致命的な欠点が発覚。頭を抱えたバンクシーはティエリーにある提案をするが、その提案が思わぬ方向に転がり始める。
バンクシーにまつわるドキュメンタリーかと思いきや、バンクシーのドキュメンタリーを撮ろうとした男のドキュメンタリーというメタ構造になっているややこしい作品。そこかしこに悪意ともシャレともつかぬ言動が挿入され、実はヤラセじゃないかと勘繰ってしまうほど大幅にスケールアウトしていくティエリーの活動の背後に彼自身が抱える心の闇やストリートアートを巡って暗躍する魑魅魍魎たちの影までもが浮かび上がり、やがてそれは鏡面となって観客の内面をも映し出す。結果、映像を観ながら失笑している自分自身の姿にドンヨリさせられる実にバンクシーらしい作品です。
全てはバンクシーの手のひらの上…なのか
タイトルは「お代は見てのお帰り」の意、ちなみにバンクシーがつけた仮題は(クソのような作品をバカに売りつける方法)。いち古着屋のおっさんティエリーが芸術家バンクシーらにほだされてMr.ブレインウォッシュとしてアーティストになって、あまつさえ成功してしまうのが芸術を理解する、その価値とはどういうことなのかの皮肉になっていた。ティエリーの撮った厨二臭さ全開のオリジナルサイケビデオ。ラストは「life is beautiful」とスプレーしたレンガの壁が倒されて幕。
結構骨太
ストリートアートのドキュメンタリーということで、いろんなぶっ飛んだアーティストがたくさん出てきてワイワイって感じかと思って気軽に見たら後半ドスンとメッセージが出てきて驚きました。
バンクシーもきっと「イラッ!」としてこの映画作ったのかなーとも思いました。
多分この映画をティエリーが観てもまさか自分が皮肉られているとは思わないんじゃないでしょうか笑
ティエリーがそのくらい純粋なのは間違えないと思います。
バンクシーの言葉
バンクシー制作のとある男がアーティストになるまでのドキュメンタリー。
2011年頃に話題になってたとはつゆ知らず、2014年、バンクシーという人物に興味津々。
そしてバンクシー制作映画があると知り、早速観てみた。
映画は、古着屋を営むティエリーという男が趣味で映像制作などをやっていて、親戚のインベーダーというグラフィティアーティストの記録映像を撮るうち、その世界に心酔し、ついにはバンクシーにまでたどり着き様々なアーティストの推薦でティエリー自身もアーティストにすんなり仲間入りしてしまう、という流れだ。
観ていてまず、「これどこまでがほんとなの?」と疑ってしまうほどよくできた寓話というか、バンクシーのニヤニヤ顔が浮かぶほどのアートマーケット界への皮肉というかがとてもわかりやすく撮られている。
でもこの映画に出てくるグラフィティアーティストやMr.ブレインウォッシュなんかは実在するし(マドンナのアルバムジャケットは知ってる)本当なんだろう。(まだ疑ってるw)
それというのも、バンクシーの作品(ラクガキとかインスタレーション)とかを観るに相当頭のキレる人だと思うし、ほとんどが謎につつまれているので一側面ではなかなか語れないのだ。
だからこそ見終わった後も狐につままれたような不思議な感覚に襲われるし、そのわかりやすすぎるメッセージに戸惑ってしまう。
と、言ってはみるが映画なのだから観て感じた事を受け入れればいいと思う。
バンクシーがこの映画を介して放った言葉はタイトルからも明確。
私も芸術に関わってる端くれとして、日頃なんとなくひっかかっていたことをなんともユニークに諭してくれていてスッとした。
劇中歌もなんだか映画の最後に聴くと泣けたし、前半のグラフィティ(らくがき)という、人間にとって原始的な絵画表現を行っているアーティストをみて心の琴線に触れたりもした。
映画HPのバンクシーインタビューもぜひ。(本当に本人かな?w)
アバンギャルドは死なない
完璧な映画である。たとえアートに関して何の知識もない人間であっても、この映画を観終わった後には「いったいアートとは何だろう」と、批評家のように自問せずにはいられなくなる程に観客を感化する。小難しい芸術理論は出てこない。まるでテンポのよい冗談混じりのロードムービーを観るかのように、主人公ティアリーとともにストリートアートシーンを旅して、気づいた頃には観客はそうなってしまうのだ。
完璧な映画である。しかし、完璧というものは概して如何わしい。果たして、この映画は一体どこまでがドキュメンタリーなのだろうか。ストリートアートに興味を持ったカメラオタクのティアリーが、その道の天才といわれるバンクシーに出会う。ティアリーはバンクシーを含めたストリートアーティスト達の映画を制作しようとするが、しかし彼には映画監督としての才能がなく、バンクシーとの監督交代の後、バンクシーの軽い提案で素人ながら芸術活動に着手しだす。そこからこの映画は単なるストリートアーティストのドキュメンタリー映画ではなくなった。ティアリーは走る。名前をMBW(ミスター・ブレイン・ウォッシュ)と改め、コンセプトを人に指示するだけで実績もないにもかかわらず、彼は大がかりなショーを手がけていく。そのMBWの勘違いっぷりと暴走っぷりに巻き込まれた周囲は困惑する。バンクシーが「ティアリーの絵には価値がない」と言い、同業者が「MBWとは二度と仕事をしたくない」と冷ややかな眼差しを向けるその一方で、MBWのショーは予想外の結末を迎えるのである。
完璧すぎる映画だ。時系列、機会、結末、そしてそれを撮る目線。まるで、「こうなることが初めから分かっていた」人間の手によって作られたような、そんな印象すら受ける。この映画を含む一連の社会現象が、バンクシーの壮大なアート作品(社会そのものに落書きをするという!)の一部なのではとも思えてくるのだが、シスの暗黒卿のようなシルエットで変声機を使って話す彼の本当の表情とその意図を、我々が知る術はないのである……。
ストリートアートの世界
これは真実ドキュメンタリーなのでしょうか。
モキュメンタリーの可能性はあるのでしょうか。
と謎の人物バンクシーが監督した作品なだけ、そう邪推してしまいます。
どのようにストリートアートを手がけ、どのように街に配置するのか、
という手順が学ぶことが出来て、とても勉強になりました。
大きいものはポスターを張り付けているんですね・・・
いざやる時は参考にしようと思います。
アートの真の価値は誰が判断するのでしょう。
町の人なのか、アートコレクターなのか、それともアーティスト自身なのか
この映画は
現代アート市場へのバンクシーの反論?
それともMBW自体がバンクシーによって生み出されたもので、惑わされるすべての人を笑っていたりして・・・
『すべての人がアートに関わればいい』という彼の思想はとてもピュアなものだし、
彼がアートそのものを馬鹿にするような仕掛けをするとは思えませんが
深読みしてしまいます。
バンクシーはティエリーをそんなに嫌っていないように見えますし、
MBWのサイト内で、度々バンクシーのロゴが映り込むことからも
もしかしたら、バンクシーが黒幕かも・・・と。
ストリートアートに興味がある人ならば、
沢山のアートを収録していますし、見ごたえのあるものになると思います。
事態は思わぬ方向に…笑えます
アートに関するドキュメンタリーとして興味深く、しかもちょっとしたドタバタ喜劇より笑えました。
とっても面白かったです。
構成が上手いのか、何時の間にか上等な奇術師の術中にハマったような、ちょっと複雑な快感がありました。
覆面アーティスト・バンクシー監督自身の神出鬼没な製作過程のドキュメントだけでも興味深いです。あえて描くべき所に描かないのは、ちょっと理解しがたいですが。
さらに、彼を追いかける録画オタクのティエリー・グエッタが絡んで、想像を絶する方向にころがっていく様は何がなんだか…笑えました。
ティエリーの、もの凄いバイタリティも、一種の才能ではあると思いました。インタビューに答えてた人達、この作品見てどう思っているんだろうね。
顔も素姓も知られていない監督の、ニヤリ笑いが見えるようでした。
全25件中、1~20件目を表示