秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
全62件中、21~40件目を表示
青いなぁ~(遠い目)
嫌いじゃない、十代でこの作品を観ていたらハマっていたかも。
言えない、伝えられない、すれ違う・・・
でももうオバサンなんでね(^^;)
後悔しない、引きずらないためには行動しかないよね。
連絡が取れなくなった(メールが来なくなった?)時点で
会いに行くなり(高校生には遠い距離だけど)せめて電話で直接話したりしていれば
ちゃんと別れられて(付き合っていたかも微妙だけど)
もっと早くお互いが前に進めたのに。
そしたら明るくて元気な花苗ちゃんとの恋も始まったのに。
あ、別にそういうことを描きたいんじゃないよね(汗)
まーでも、簡単に付き合って別れて、またすぐ別の人とくっついたり、ちょっと浮気しちゃったり
そんなインスタントでジャンクな恋愛より
一人の人を思い続けるって方が私は好きだけど。
恋の難しさ、儚い物語
桜の花びらは秒速5センチ、ロケットは時速5キロ。
わずかな命を終え、平等な速度で地に向かう植物もあれば果てしない目的に向けて少しずつでも歩みを進める物体もある。
そんな世の中で人間の心は一センチも近寄ることができないこともあるし、恋は実らず散ってしまう。
それでも歩の進む勢いや方向などはそれぞれなのだから人の心と心が縮まらなかったり、失敗したりすることは決して悪いことではなく、普通だと感じることができた。
たかきが最後にみせた笑顔も、まぁ仕方ないだろということだと、考察する。
心が弱ってるときは見ない方がいい…
せつなさに心が耐えきれず捌け口レビュー
アニメしか見てないうえでの想像ですが
貴樹の心情はこうだった?
雪と距離の障害に現実を思い知らされ、明里を守れる力が欲しいと願うが無力なままの第1話
明里の気持ちがわからなくなって…なにがあったか知らないけど、メールを書いては送れずに消して迷う第2話
明里を好きだったという過去+心配だという義務感が心に穴を明けていた第3話
最後、踏み切りで笑ったのは向こうはもう踏ん切ってることへの安心なのか、自分への自嘲か…
ただ、貴樹も前に進もうとしている描写ではあったのでそこは希望なのかな、と。
思うに、貴樹という人は真面目過ぎた…
明里とは親の都合で…なんて理由の別れ方さえしてなければ、
もっとちゃんとお互い時間を使って青春できていれば…
もしくは最初に出会ったのが2話の花苗ちゃんや3話の水野さんって人だったなら…
それなりに彼女ら3人だれでも幸せにできた人材だったのでは、と。
あー、書いたらもやもやが晴れました。
青春…心を誰かと通わせる機会を失った彼の、
残りの人生がちょっとでもマシになりますように!
ロミオ
終わった恋を何度も反芻して、あの時はああだった、あのときああしたのはこんな理由があったからだ、彼女はこんな気持ちだったんだ、あの時の経験が自分を形作っているんだ…と妄想し続ける…
わかる、わかるよ。すごく好きな人と別れたあとってそうだよね。
でもね、自分に酔いすぎ。気持ち悪い。
最後に会ったのが13才で、大学まで出てたと考えると第三部で仕事辞めるまでに軽く10年近く経ってるんだよね?
10年、同じ女の終わった思い出の中でぼんやり生きてるの?ほかの女の子と付き合ってるのに?
何でアカリちゃんのことをそんなに強く思うことになったのかも分からないからこっちも思い入れをもてないのかもなぁ。
第一部が完全に男目線だから、そもそも二人が思い合ってるのかも謎。第二部以降の男の自分に酔った妄想万歳な思考回路を見るにつけ、「彼女と強く惹かれあってる」ってとこから彼の思いこみなのでは?女の子はただちょっといい感じだった男子程度にしか思っていないのでは?と思う。
新海誠の恋愛観って微妙だな…この映画は、気持ち悪くて子供っぽい男が妄想垂れ流しながら特になんのきっかけもないけど立ち直る映画なの?
映画なんだから、せめて何らかのきっかけはほしいよなぁ。起承転結の転がない。
タイトルのセンスと風景描写に★を2つ。最後の山崎まさよしで細かくカットを挟み、途中で曲がタメを作るところで映像も止めるという演出、しつこくてしらけたのでそこで-0.5です。
主人公のあらゆる行動が気持ち悪いけど、もっとも痛々しいのは「宛先のないメールを打ってる」ってとこ。しかもそれをちょっとかっこいいことみたいに言ってるとこ。まぁ高校生だからね…痛めの高校生ってそういうことするよね……と思って許すしかないけど。
思い通りにならないのが人生。
貴樹と明里が、あんなにお互いを思っているのに、何で結ばれないのかなって思うけど、思い通りにならないのが人生なのかなって、そう思いました。
うらやましい人も世の中にはたくさんいるけど、大勢の人は、思い通りにならない人生で、つらい思いをしながら生きていくのだと、この映画を通して、感じました。
だから、今、なかなかうまくいかない自分のことも、ある意味、人生では普通のことではないのかと、そう楽に考えることもできました!
けっこうよかった
中学校、高校、社会人でパートが分かれている二人の男女の物語。高校生で鹿児島に行った彼が、誰にも向けないメールを常に打っているのが、あまりに思わせぶりな態度だし、スカしすぎでしゃらくさい。その時点でメールのやりとりしろよ。会社員になるとうつ病みたいになっていて、気の毒だった。最後は山崎まさよしの歌が感動的で涙が出た。
懐かしき思い
若い学生時代を思い出させてくれる作品。
学生時代はお互い結婚するものと思っていたが、大人になるにつれ、離れているといろんな人と出会い、学生時代のことはいつかは忘れ去ってしまう。
最後にお互いは出会えない。せつない。
小学生の頃に離れ離れになった同級生に栃木まで会いにいく、95年携帯もない時代。電車は雪で遅れ待ち合わせの4時間後に駅に着く。中学生のその女の子は岩舟の駅で待っててくれていた。
けど、男のほうは鹿児島に転校してしまう。鹿児島では好きになってくれた女の子はいるも、栃木の同級生のことを思い続ける。
やりとりは初めは続くも途中から無くなり、最後は別々の人生を歩む。
良い作品。
青春だなぁ
おっさんとなった今では憧れる青春模様。現実ではなさそうなストーリー展開だけど、学生時代の純粋な気持ちにキュンとくる。
そんなに思いが強いなら行動すればいいのに!って思う時点で、おっさんなのかな〜。
1時間に濃縮した「切なさ」の映画
事前知識はほぼ無し。「人によっては鬱になる」と新海誠ファンの知人から紹介されておっかなびっくり視聴しました。
「君の名は。」「天気の子」と新海作品を観てきて、過去の作品を観てみたくなり、鑑賞したのが新海誠監督の代表作でもある「秒速5センチメートル」です。
全3話からなるオムニバス形式の作品で、全話合わせても1時間ちょっとの非常に短くまとまった作品。だらだらと長い映画よりはきれいに短くまとまった映画のほうが圧倒的に良いと私は考えてますので、尺が短いことは良いことですね。
第1話「桜花抄」は主人公の貴樹とヒロインの明里の中学時代、東京にいる貴樹が栃木にいる明里に会いに行くというストーリー。
第2話「コスモナウト」は種子島に転校した貴樹と、貴樹に想いを寄せる花苗のストーリー。
第3話「秒速5センチメートル」は就職して東京に帰ってきた貴樹が初恋の明里のことを忘れられず、一人で葛藤するストーリー。
1話で王道的な甘酸っぱいラブストーリーを見せられた後に、3話で明里が忘れられずに一人悶々と日々を過ごす貴樹の姿を見せ付けられるというなんとも後味の悪い構成になっているので、見る人によっては不快に感じるかもしれませんが、私は好きです。
ハッピーエンド
この作品は本当に素晴らしい
よく鬱エンドやバットエンドと言われているが、実はそんなことない
貴樹は電車が過ぎ去った後、そこに誰もいないことを確認し、少し微笑みながら前に歩いていく
最後の最後に、貴樹は気持ちが吹っ切れて前に進むことができたのだ
これこそ真のハッピーエンドでないだろうか
それと映画では描かれていない花苗のその後が描かれている漫画版の方もおすすめなので是非
1メートル落ちるのに20秒
秒速5センチメートルだと、1メートル進むのに20秒かかる。実際の桜の花弁が落ちるのは秒速1メートル〜2メートルくらいだそうだ。どこから発生した言葉なのかよくわからないけれど、ただ、この言葉は、なんか力強い。もうちょっと考察してみる。
秒速五センチメートルというのは、足のよくないおばあさんが街の中を進む距離か。いや、秒速五センチメートルはほぼ止まっているような感じだ。50センチ進むのに10秒かかるのだから。
新海誠によるアニメーション作品。この作品は、短編三部作で総計一時間ちょっと。ある孤独な少年が小学生から社会人になるまでの12年くらいを途中色々とばしながらもゆっくりゆっくり描く。景色、風景が美しい。日本を紹介するのに、最良の作品ではないか。
誰にも思いあたることではないだろう。転勤族だった父を持つならば理解できる部分は多い。
少年時代の同級生同士の濃厚な初恋。転勤族同士だからこそ分かり合える心理状態というのはある。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」に通ずるものはある。
花火がロケットになった。サーフィン好きな女の子がわたしには唯一生命感を感じさせるエピソードに感じられた。
山崎まさよし One more time, One more chanceが、主題曲。
”あるある”がちりばめられたリアルなお話
とにかく背景がリアルで、それぞれのエピソードがあり得る展開で現実の話として受け止められます
希望があると思い高揚、そしてしぼむ
決めればいいだけなのは分かっていても、それほど強くなく決められない。そして落ち込む
そちらこちらに“あるある”がちりばめられていて、当時の自分を思い起こさせられて切なくなる
特に第二話の貴樹はまさに自分で、見ているのがつらかった(メールはなかったけど)
物語自体は台詞そのものよりも登場人物が心情を語るという形で進み、その表現が文学的、哲学的
カット割りも、より遠回しな形で感情表現がされていて観客の想像を膨らませる演出は良いですね
私は恋愛ものではあまり感動出来ないのですが、これはかなりはまりました。
ただ、一歩引いてみると。。
恋愛経験の少ない若い世代(20代くらい)には響く人は少ないかも。
そして“あるある”が全然当てはまらない人が見たらどうなんだろう?
13歳でキスしただけの初恋の人を大人になるまで思い続けられるだろうか?。
かなりレアケースでしょう。それを描きたいのだったらもう少し特徴的なエピソードが欲しかったかな
かつて好きだった異性のことを心の中で美化して持ち続けているというのは誰しも経験のある(50歳過ぎてもありますw)ことなので、その表現ということならこれもあり
ただ、感情の起伏がずっと海の底を漂っているようで、一般受けは厳しいか
忘れじの君へ
ABCテレビの深夜放送を鑑賞(録画)。
ノベライズは未読。
タイトルに強く惹かれました。
秒速5センチメートルとは、散った桜の花びらが落下する速度であると知った時、なんておしゃれな題名なんだろうと…
咲き誇った桜が散り、儚いながらも、また来年美しく咲くために、新たな一歩を踏み出すために必要なスピード。
主人公・貴樹の姿は、「秒速5センチメートル」の速度で落ち続けている最中の花びらなのかも、と思いました。
時を経て、いろいろなことがあって、別れ別れになって、それぞれの人生を歩み出しても尚、忘れられない初恋の人への想い。あぁ、なんて切ないのだろうか!
追憶と憧憬に捕らわれ、時間が止まったままの心。貴樹の彷徨が、新海誠監督ならではの流麗な情景描写と繊細な心理描写で描かれていて、心揺さぶられました。
忘れたくても、忘れられない人がいる。
「あの頃」を思い返してしまう素敵な映画でした。
※修正(2024/02/17)
自分には合わない
多分に刷れてしまったからですかね、!
後悔を心にしまいながらいつまでも引きずって生きて行く人生は理解できない。
単なるコミュ障なだけじゃん。
確かに絵は綺麗だし、最後のエンディングの唄とのマッチングはよかったけど。
青春時代の思い出してくない恥ずかしい思い出を無理矢理に見せられた感じ。
この映画を面白いと思った方は読まないでください。
友人がこの作品を大好きだというので観てみたんですが、なんだこのうんこみたいな映画は、というのが最初の印象でした。とにかく主人公が苛つく。てゆうか登場人物みんなむかつく。映像の綺麗さを凌駕して不快感しか抱かせないストーリー。えー。友人はものすごく高評価してたのに。世間的にも評判は良いし。おそらく今の自分にはこの映画の良さが理解できていないに違いない、と思いこの作品は寝かせておくことにしました。
それが8年ほど前で、5年ほど前に2回目の鑑賞に挑みました。うんこを顔面に投げつけられたような気持ちでした。数年の時を経ても色褪せることのないうんこ感に心が折れそうになりました。そんなはずはないんだけどな、たぶん、今の自分には知りえない深みがこの映画にはあるのだろう。そう思い、また寝かせておくことにしました。
そして君の名は。が空前絶後の、超絶怒涛の大ヒットとなり、DVD化されてから君の名は。を観ました。なるほどー、前前前世だなー、と思いました。君の名は。に対しては別に文句を言うつもりもないので、感想としては、なんでもないや、って感じです。
その後、3度目の秒速五センチメートルへの挑戦。観終わった直後、自分は確信しました。
なるほど、この監督には才能がない、って。
映画監督としての演出の腕とか見せ方の技術とかではありません。ただ、センスがない。おもしろくない。おもしろいことを考える才能が欠如している。この人は、自分がおもしろいと思うストーリーを書かないほうがいい、自分の主張なんかせず、みんながおもしろいと思うストーリーを書くべきだ、と思いました。
まあ、本人もそれをわかっているから君の名は。のような万人受けストーリーで勝負したんでしょうけれど。そしてそれが大ヒットしたんですから、やっぱり監督としてはすごく優秀なんだと思います。
濃厚でした
なんとなく噂に聞いてましたが勝手に大人の恋物語かと思っていたので、冒頭で小学生が現れたのは驚きでした。
もう10年前の作品だけど光や色彩の使い方が素敵でとても綺麗なアニメーションでした。
子供から大人への成長を短編三部作した構成も面白かったですね。
第一話は、幼さと少し成長した淡い恋心のまどろっこしさと、それでもこの荒さがいいんだよねってまさに青春って感じでした。
これはいつの時代なんだろう?
スマフォの便利さが再確認できると共に、便利になった世の中ではこういう情緒は薄れていくんだろうなとも思いました。
遠い未来ではこんな時代だった頃も忘れられて
「なんでこの人達スマフォ使ってないの?」
なんてやりとりがされるんだろうな、、、
自分の青春時代に情緒を感じるとは歳をとったものだ。
第二話。
女の子の切ない片想いがいいですね、これまた青春って感じです。
メールの宛先は明里かと思ってたけど宛先のないメールとは、、、一話で一緒に居られないと言ってたけどそういう事なんだろうか?
この島は原付通学が普通なのかな?
第三話。
ほぼ歌だけだったけど伝わるものはあった、泣けてきました。
全編通しても短い作品でしたが中身は濃くいい物語でした。
リアリティのあるストーリー、ただそれだけ
良し悪しは置いといて、とてもリアルな映画だと思います。
主人公とヒロインふたりの恋心はとてもリアル。
両思いなんだけど、小学生じゃそれを伝えて結ばれるなんてできませんものね(現代の子供は知りません)
結局結ばれずに離れ離れになるのがリアル。互いに想ってはいるのに気持ちを伝えることもできず、時とともにふたりの関係も流れてしまう点もリアル。
思春期の男の子がちょっとしたことをさも深いことのように大げさに哲学する様子もリアル。
主人公がふたりの恋が終わったことを悟りながらも、新しい恋に目を向けることもできずに童貞をこじらせ、ズルズルといつまでも引きずっていることもリアル(実際主人公の彼のような男性、結構いると思います。)
そして結局は最後もすれ違い、再会すらできなかったとこもリアル。
でもリアルであることが即ち良い作品であるのか?
この作品は非常にリアルな展開になっていますが、それだけ。
山なし、谷なし、落ちなしです。
監督はこの作品で一体なにがしたかったのでしょうか?
主人公の彼に倣って哲学してみますが、そもそも映画というコンテンツは何かを表現したり伝えたりするためのものです。
それはエンターテイメントなのか、何かの宣伝なのか、何かの歴史やドキュメンタリーなのか、自然の美しさなのか。
そういったものがこの映画からは伝わってきませんでした。
この監督は一体何をしたかったのか
定評のある美しい風景が描きたかった?
舞台装置としてのストーリーならもっと内容のない、個性的で美しい風景を引き立たせることのできるものがあったはずです。
人物の絵の拙さもマイナスですね。
恋愛映画にしたかった?
だとすれば落第点です。たしかに非常にリアルにできているとは思いますが、それだけでなんの面白みもない展開。
結局主人公がブツブツと独白してるだけで終わっている映画ですから。こういう経験してる男性、山ほどいると思いますよ。
それをきいて面白いですかって話です。この映画の内容を身近な男性から自身の経験談としてくどくど1時間も聞かされたら「で?」と言ってしまいたくなるでしょう。
男女のリアルな恋模様を描きたかった?
だとすればまぁ成功してますね。面白いかどうかは別にして。
ただ非現実的な、輝く風景は不自然ですけどね。
ピンポイントの演出だけならともかく、背景は全編通してこだわりのある部分のようでしたから表現としては不適切かと。
何度も繰り返しますが、ふたりの関係や感情の機微などはリアルで、昔を思い出して共感できた方も多いのではないでしょうか。
たしかにリアルな描写は物語に深みを与えますが、それだけでは物語として成立しません。
料理に例えますと、リアリティだけを追求した物語は調理されていない食材のようなものです。この映画は「男女のリアルな関係」という食材をぶつ切りにして皿に盛っただけ。料理になっていないのです。
一見魚を切っただけに見えるお刺身さえ、魚を捌き、魚ごとに適した切り方をして、薬味で臭いを消したりしてようやく料理として成立しているのです。この作品はそういったことを怠った作品だと思います。
いくらこだわり抜いた食材でも、そのまま食べても美味しいとはかぎりません。
監督のやりたいことと、演出方法、ストーリーと全てがチグハグな為、作品の方向性が見えないのです。
同じ食材でも、通常作る料理によって調理方法は変わってきますが、その使い分けができなかったのですね。自分のできるやり方で皮をむき、自分のできるやり方で切っただけ。作ろうとしている料理に適しているかどうかなどはお構いなし。
だから好評価のレビューですら、「共感した」「切ない」「背景が綺麗」などの感想ばかりになるのだと思います。作品全体のレビューなのに「男女のリアルな関係」という物語の一要素のみに終始してしまっているのです。
カレーライスを食べて「お肉が美味しかった」と言っているようなものです。お肉を美味しく食べさせる為のカレーなら良いのですがね。
長くなりましたが、私としては「リアルなだけでは一本の映画作品としては成立しない」と結論付ました(それがわかっただけでも価値があるとは思いますが)
よってこの映画の評価もバットです。
光るものはあったが、それらをまとめることができていないって感じですかね。
一歩を踏み出すまでの物語
イラスト、音楽、セリフ、そして作品タイトルまで
なにからなにまで切なさで溢れている作品だなと思います。
この映画が公開された当初鬱映画だなんだと言われていたそうですが、私は全くそうは思いませんでした。
ずっと綺麗で大切で拠り所としていた明里との思い出が大人になるにつれて次第に貴樹の心を固くしてしまう。
映画ではほんの数十分で大人になるまでの時間が流れていきますが、実際はとてつもなく長い時間重く苦しい思いをしてきたんだと思います。
最終的に二人は踏切ですれ違いお互いを認識するも踏切が閉まってしまう。
しかし電車が通り再び踏切が開いたときにはもう明里はいなかった。
その二人が結ばれなかったというラストでおそらく鬱映画と言われているのでしょう。
だけど、最後の貴樹の表情を見るかぎり鬱エンドには思えませんでした。
あそこで明里とすれ違ったことで、振り返ったときに明里がいなかったことで、やっと貴樹は前に進める。
栃木まで会いに行ったときの別れ際に明里は「貴樹くんなら大丈夫」と声をかけていましたが、その言葉の通り貴樹を「大丈夫」にしたのは明里だった。
だから明里との思い出は美しいままで、すがりつくだけの過去ではなくなった。
あの踏切のシーンで、過去に執着する貴樹ではなく未来を期待する貴樹を見れてようで、すごく温かい気持ちになれました。
過去に囚われていた少年が一歩踏み出すまでの切なく優しい物語でした。
時間と距離は残酷?
ラスト、貴樹はこの先どうするのだろうと思うと、ハッピーエンドとは思えない。
不安でも拠り所がなくても前に進めといっているのか……。
何を得ていいのか分からない。
時間と距離の残酷さをどうとらえていくのか……
全62件中、21~40件目を表示