秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
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桜の落ちる速度
人を好きになるとはどういうことか、 大人になると分からなくなる。 ...
んー!懐かしい苦い思い出が蘇る
まだ携帯電話はおろかポケベルもなかった時代、中学生、高校生の連絡手段は家電か手紙のみだった。家電は親が出て、家の娘になんの用事だ!と怒鳴られ取り次いで貰えない。残る手段は手紙のみである。昔は生徒の住所も全て公開されており、全力で手紙を書き、相手の返事を待った。ポストを覗くが手紙は来ておらずガッカリする事も多かった。反面、相手からの手紙が届いていると嬉しくて手紙を持つ手が震えた。何が書いてあるのだろう?そんな期待を胸に封を開ける。当時の女子は良い香りのする紙を使うのでほんのり女子のいい香りがする。萌える瞬間である。良い返事なら狂喜し、悪い返事なら物凄く落ち込む。こんな時代もあったのだ。今の子供は早ければ小学生からスマホを持つ。この映画を観ても内容は理解し難いであろう。オッサンやオバちゃんらが若かりし頃の青春を思い出すのに丁度よい映画なのである。監督もその世代であろう。
自己満足の世界
これぞ新海誠監督の真骨頂
桜の花びらが落ちるスピード、それが本作のタイトルです。レンタルショップで初めて見つけた時、「変わった名前やなぁ~」と、おもむろに手に取って借りた記憶があります。ただそれだけの理由で観た本作・・・
本気で震えました。
物語は幼馴染の貴樹と明里を中心とした、青春の恋物語。それを3話に分けて描いています。幼馴染から初恋に目覚める1話、貴樹に片思いする女の子が主人公の2話、そして2人の結末を描く3話・・・。端的にいえばこんな感じです。青春の恋愛モンです。
見どころは、“距離”の表現。
それは物理的な距離であったり、心の距離であったりします。わくわく感や心細さ、決意など、多くの心理的な描写を、新海監督の特徴でもある“美しい絵”で見事なまでにぴったりな表現で描かれているんです。震える糸の一本まで感じ見えるかのような繊細さ、どうやったらそんな心を持てるんでしょう。それだけでも凄いと感じてしまうんですが、
クライマックスで山崎まさよしの「One more time, One more chance」が流れた時、体中からゾクゾクしました。
その曲は、この映画の為にあったんやないか?1話、2話と来て、全てを悟った時に流れるこの曲、走馬灯のように流れるクライマックスに完全にリンクしていました。この映画の言いたいこと全てが詰まっているようでした。
そして本編が終わった後、こう思いました、
新海誠監督は天才か!?
こんな映画、他の誰も描くことはできない。飛び抜けた絵の美しさに加え、音楽も、曲も、その使いどころも、全てが素晴らしく、そうなって出来たキャラクターの思いが自分の心に飛び込んできそうな感じがする。ここまで繊細に心を表現するアニメーターなんです。
これを観て、自分は新海監督のファンになりました。もう大好きな映画です。
無菌のロマンポルノ。
舞い落ちる桜の花びら
よくある話
「すずめの戸締り」を観たので幾度目かの観賞。
小学校での初恋、別離、成長。よくある話である。決してドラマチックではない。
ただ、新海誠監督はそういった「よくある話」を今作では徹底的に美しく、儚く描く。
小学校の廊下に反射する鈍色の光。蛇口から垂れる水滴。桜並木。当たり前の日常を、どれだけ美しく切り出すことか!新海監督の真骨頂はこういった描写と、人物に多くを語らせない演出力であると言えるだろう。だから「君の名は。」では本当にラストはハラハラしながら観てました。
タイトルでもある「秒速5センチメートル」は「桜の花びらの落ちるスピード」だと明里は言う。
この作品の本質は「速度」である。
貴樹と明里それぞれの生きる速度。積雪で動かない電車。カブの時速。種子島から打ち上がるロケット。全てが相対的であり、決して遡ることはない。一度通り過ぎたなら、交わることなく引き離されていく。新海監督の哲学がこの作品には詰め込まれている。(「ほしのこえ」でも、地球と外宇宙との速度の乖離を描いていた。「インターステラー」でもモロに。)
前述したが言うなればなんてことのない失恋話である。ただ、紐解いてみるとそんな出来事も、案外に美しい日々だったなと、思いを馳せることのできる稀有な作品であるとも言える。
近年の新海誠ヒット作の原点を感じる
この世界で自分を本当の意味で理解できる人なんていないんじゃないか。まるでひとりぼっちのような感覚を抱く中で、似た感覚を共有できた少女に出会い、まるで自分の一部のように思う。
そんな初恋を起点に、小中学生時代、高校時代、成人してからの物語と3話をオムニバス形式で展開する。各話の語り手も明里、第三者の花苗、主人公の遠野と、一つの物語を複数の視点から追っていく。
新海誠たるものが形成された作品と感じられる本作は、ファンならば近年ヒットした3作の原点をなぞることができて楽しい。代名詞ともいえる文学的なモノローグ、MVのような映像と音楽の使い方、幻想的な心象風景や青春の描き方など、そのどれもに積み重ねがあったからこそ、近年の作品に辿り着き、昇華したのだと感じられる。
特に印象的なのは3話でようやく出現するタイトルバック。それ以前の物語は、ここへ向かうための序章だったのだと。すずめの戸締まりを鑑賞済みの方は、ここである種の感動を得られると思う。
忘れられない初恋への未練はなんだったのか。遠野自身が気づくことで彼を一歩前へ踏み出させる。大変にセンチメンタルな青春映画でした。
切ないという言葉がこれ以上合う映画は無いかも
新海誠作品の中では、ダントツに好き
三部に分かれて、主人公の心の移り変わりが描かれている
桜、雪、宇宙、星、海
淡い初恋が、隔たれた距離で想いを深くしたり
後悔で蝕まれたり
何度見ても、心臓がぎゅっとなる
あの時こうしていれば
あの時こう言っていれば
幼いからこそ、若いからこそ
紡げなかった時間が心を蝕む感覚
経験していなくても、その心情は
手に取るように理解出来て、苦しくなる
「時間ははっきりとした悪意を持って………」
なんて台詞、どうやったら思い付くんだろう
映像の美しさや、微細な動きは
新海誠氏の真骨頂と言える
光の入り方、教室の机や椅子、電光掲示板
電気のちらちら動く感じ
全てが美しい
電車の連結部分の動きなんて、もう鳥肌が立つ
心情を察しろではなく、モノローグで語り尽くす感じも
この作品だからこそ、いいと思える
時速5キロ
秒速5センチ
リンクする気持ち
あぁ、切ない………………………
ラストシーン、山崎まさよしの曲にリンクさせて
カットで流れるシーンは何度見ても
見入ってしまう
こういう作品をたくさん観たい
新海誠作品の中では映像、脚本、音楽、クオリティのバランスが1番良いと感じる映画です。
男なら誰でもわかる主人公の思春期の考え方、やるせなさがとてもリアルに描かれていて共感が高い。
また、セリフには無いがどうしようもない状況での悔しさ、切なさ、怒りなどが痛いほどわかるのも面白さの一つです。
短編映画で三部作になっていますが、基本主人公の成長と時間の流れを描いた作品で、一部は小学生〜中学生、二部では高校生〜、そして三部では社会人となった主人公の話になっています。
二部では目線が主人公ではなく、もう一人の登場人物になっている為見方が変わり面白いです。
全てを映像やセリフにしていなく、視聴者側に色々考えさせる新海誠作品の良さと物足りなさがとても心地よい。
この作品はもう5回は観ていますが、いまだに観たくなり、その都度何とかハッピーエンドに持っていきたいと自分では考えてしまいます。
あまり書くとネタバレになってしまいますので内容は書きませんが、この作品の終わり方はこれで良かったのかなと自分には言い聞かせてます。
思春期の‼️❓切なき想い‼️❓無くしけり‼️❓
やはり切ない
過去に何度か視聴しており、ブルーレイも持っていますが、映像が綺麗になって大きいスクリーンで見れる、ということで久しぶりに映画館で見ました。
やはり、この作品の見どころは「映像美」と「ストーリーの切なさ」だと思います。
映像美という点では、動画配信サイトではいかにこの映画を綺麗に動画として投稿できるか、として、よく投稿されていたのを覚えています。
絵の精緻さという点では、やはり年月もあるからか、目を見張るというところまでは行きませんでしたが、さまざまなシーンが1枚絵として成立するくらいに、カット割りや絵が綺麗だな、と思いました。
ストーリーもやはり切ないですね。正直1話だけでも十分に短編として成り立っているわけですが、そこから2話、3話と進み、主人公が第1話のあの瞬間、あの感情をずっと引きずっている感じは、2話では切ないのですが、3話では痛々しくも感じます。最後の最後、主人公が前向きになっていたのが、唯一の救いですね。
ここまでかなりストレートに切なさが描かれる映画も今となっては珍しいかもです。新海監督の最新作も今度あるのですが、また、こんな作品を作ってほしいな、と思います。
エモい
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