「せつない想いがいっぱい」秒速5センチメートル(2007) チャップさんの映画レビュー(感想・評価)
せつない想いがいっぱい
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決してハッピーエンドではないが、何故かしっくりきてしまう映画です。 全編通じてせつない。せつないけれどもどこか懐かしさもあり共感してしまう。
特に第一話は苦しいほどせつない。 主人公が彼女に会いに行くまで遠い道のり。 とにかく遠く幼い主人公を孤独に不安にし追い詰める。観ていてとてもつらい。それはどこかで自分が体験した思い出とも重なる。同じシチュエーションではないにしろ誰でも同じ境遇になったことはきっとあるはず。自分もそう。だからこそこの主人公の孤独さ、不安さ、辛さが身に染みて分かる。痛いくらいの想いが自分の中で駆け巡る。
そして彼女と会えたときは心から喜べる。だけれでも待っていた彼女も寒い中、ひらすら待っていたことに心が痛む。 彼女も同じように辛かった。それもまた自分の実体験と重なりせつなく辛い。
第三話で現実的なラストを迎える。せつないけれどもそれが現実。だからこそ共感できしっくりきてしまう。そこにまた主題歌の選択がにくい。映画の世界観をマッチしすぎ。
全編通じてノスタルジーを感じると同時に、痛くせつない強い感情がわき上がる。 安っぽいハッピーエンド映画の商業的なストーリー展開よりも、ぐっと映画の世界に入り込むことができ圧倒的に満足のいく映画に仕上げっている。
個人的に自分の体験談とはまりすぎていたため、共感でき良い点数ではあるが、一般的には淡々としたストーリー展開と映像美を楽しめる映画なのでは。
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