「派手に武士道を。」47RONIN ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
派手に武士道を。
欧米でも日本通の人は最近多いようなので、どこまで本気で
今作を信じるかは分からないけど(まぁ、若い衆とか)
日本人には元々のお話「忠臣蔵」がほぼ分かっているから、
今作を大胆なリメイクアクションだと捉えれば普通に観られる。
却ってほとんどアレンジしてます。っていう宣伝が功を奏し、
真面目なリメイクと謳って散々な思いをする羽目にもならない。
潔いくらいに気持ちよく裏切られる作品だった。
そもそもカイ(キアヌ)の設定も、いきなり出てくるCGの怪獣も、
あーこういう感じね…^^;と序盤で認識させてくれて分かり易い。
その後の討ち入りに関しては多少の行はアレンジされながらも、
巧く纏めてきたな~と思った。ミカなんていう名前が当時あったら
ホント面白かったのに。現在でいう、きらきらネームってこと!?
前ハリウッド作で辛酸を舐めさせられた?感のある真田広之。
今回はほぼ主人公といってもいい、大石内蔵助の役。殺陣といい、
踊りといい、台詞の言い回しといい、良かったね~!感が満載。
息子が赤西仁だって気にゃ~しませんよ。顔は似てないけど…
柴咲コウも菊池凛子もなかなか美しく描かれており、発音も◎
浅野忠信、田中泯もいつも通りのそつない顔面熱演ぶり。
しかし私は何といっても、徳川綱吉役のC=ヒロユキ・タガワの
出演が嬉しかった。いや~現在もまだまだ頑張ってらっしゃる。
ラストエンペラーの頃からずっと観てきた人だけど、こんな風に
日系人を起用する歴史時代劇が作られる時代がこようとはね~。
ハリウッドもだんだんと、キャスト選びに磨きがかかって嬉しい。
さて、トンでも感が強い行いや衣装が目を奪う場面は多くても、
根本のところで武士道や侍スピリッツを盛り込んだサービスぶり。
前述で書いた通り、初めからそれを分かって観ているから面白い。
切腹における解釈は筋が通っており、まさかの美しさを醸している。
ここまで理解=映像化しているのだから、よくやったと思える作品。
(キアヌはすっかり痩せて元通り。さすが俳優は鍛え方が違うわぁ)