「珍妙、奇天烈、パラレルJAPAN!」47RONIN tochiroさんの映画レビュー(感想・評価)
珍妙、奇天烈、パラレルJAPAN!
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忠臣蔵をアレンジしているというふれ込みの作品だが、とてもとてもそんなレベルではない。忠臣蔵ファンの人にはその荒唐無稽な内容に、開いた口が塞がらないかもしれない。
ただ別に歴史映画ではないのだから、ハリウッドが作ったパラレルワールドの時代劇エンターティンメントとして割り切れば問題ない。日本でも古くは「仮面の忍者赤影」や、近くは「戦国バサラ」などで好き勝手しているのだから、そう目くじら立てることもないだろう
しかし設定やストーリーの荒唐無稽さには目くじらを立てないにしても、作品についての不満は残る。最初に出てくる麒麟もどきにしてからが、「パーシー・ジャクソン/魔の海」に出てくる鉄牛の、迫力と暴れっぷりには負けているし、ラストに出てくる龍も迫力不足で弱すぎる。プロレスではあるまいし、何故わざわざやられ易いように動いてくるのか。
何より巨大武者(私はてっきりこれも怪物の一員だと思っていた)が、あっさり火薬の爆発に巻き込まれてやられてしまったのは不満である。爆発の炎の中からゆっくりと足音を響かせながら現れることを期待していたのに、これでは全くの拍子抜けだ。龍との戦いはカイに任せて、巨大武者+腕利きの用心棒(清水一角みたいな)VS大石を筆頭とする赤穂浪士達の死力を尽くした戦いを、もっと見せて欲しかった。
巨額の製作費をかけた割には、その大半をキアヌ・リーブスの出演料に取られたのではないかと思えるくらい、コストパフォーマンスの低い印象の映画であった。
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