「"絶望"を越える"先の領域"」ダークナイト ライジング 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
"絶望"を越える"先の領域"
"絶望"の概念って何だろう?"愛する人を失った時?""人生を蹂躙される時?"異なる捉え方はできるけど、決して一つには"括れない"のでは?それが今回の最終章を見終わって感じたことだった。
本作の敵役ベインは"希望"の存在が"絶望"を高めるという、考えをもって動いてるようだった。屈強な肉体、観察力は絶望がもたらす負の力を"手中"に納めようという征服者に見えるけど、それは真に絶望の先の"領域"には辿り着いてない。"支配"は所詮一時的にすぎないし、いつか報いが訪れるから。
バットマンは"絶望"を、支配しようとはしていない。力業で服従させず己の"絶望"を受け入れる。それを先へ進めるための"前進"に変え、過去とは違う"領域"へ己を高めようもしているから。元々ブルースという人間が両親の"優しさ"を受け継いでるから、"征服"と"破壊"を糧にしてるベインと違うのは当たり前。
僕がここで言いたい"絶望"はあくまで"分岐点"で誰もが出会う"選択肢"な気がする。人生経験の少ない人間が生意気な口を聞いてるかもしれないけど、とにかくそれが浮かんだんです。
『ダークナイト』には及ばなくても、そこには無かった感動があった。ただ見たのはテレビ放送版で、カット箇所が多いのは分かった。近いうちに全部みたい!
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