「確かに壮絶」ダークナイト ライジング Arbelosさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに壮絶
トリロジーの完結編としては満足できるストーリー。これまで同様、CGに出来るだけ頼らず徹底して実写にこだわった迫力の映像をIMAXで堪能して欲しいと思います。
前2作に比べると圧倒的に興奮できる場面が多い。バットマンの活躍を見るとアクションヒーローという原点へ回帰したように感じられます。原作漫画を知っていると楽しめるシーンも多いはず。
アメリカ社会の世相を反映したかのようなストーリー内、冷酷なベインのもとでゴッサム市民が陥っていく状況は、前作のジョーカーの言葉が現実となったものであり、背筋が寒くなる場面もあります。マスクを通して聞こえるトム・ハーディのくぐもった声が魅力的。アン・ハサウェイ演ずるセリーナ・カイルは妖艶でハマり役。文句のつけどころがありません。バットマンリターンズのキャットウーマンに負けず劣らず。
ただ、前作のようなハードボイルドな作品を期待すると落胆するでしょう。ブルースの心理の描き方は表面的でありきたり。エンターテイメント重視なのか俳優陣の演技力を最大限活かすような作品ではありません。
時間の扱い方で評判が高いノーラン監督のはずなのに、時間経過をいかに感じさせるかという点でも粗っぽく感じられました。またあくまで「ダークナイト」であるはずのバットマンに、ややコウモリらしさが欠けていたような気もします。マリオンの演技には明らかに1ヶ所欠点がありました。
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