「予想上回るストーリー展開、アクションも魅力的なヒロイン、複数の伏線を回収するラストの格好良さ」ダークナイト ライジング Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
予想上回るストーリー展開、アクションも魅力的なヒロイン、複数の伏線を回収するラストの格好良さ
クリスチャン・ベール演ずるブルース・ウエインが今後のウエイン産業の経営を託したマリコン・コティヤールことミランダが、地下監獄から脱出した子供であり、事件の黒幕であったことは予想外で、良い意味で驚かされた。確かに、2人が抱き合った時、彼女の背中には傷跡があったのだが(傷跡の由来は明らかにされず、その点ではスッキリせず)。
マスクをした新しい悪役ベイン(トム・ハーディ)の怖さと凄さを見せる、出だしの核物理学者誘拐のための飛行機アクション、その目的や利用も明らかにされる迫力満点のフットボール場でのそれ自体の破壊映像、バットマンが乗りこなすバイク及び飛行装置ザ・バットのスピード感、今回もアクション的映像は迫力満点で悪くない。黒幕が明らかになってからベインが飼い犬的になってしまう様も時代を反映してか、興味深かった。
ヒロイン・キャット・ウーマン演じたアン・ハサウエイ、歌が抜群に上手いのは知っていたがアクションもこれ程イケるとは。黒ずくめの密着した衣装を身を付け、真っ黒な大きなバイクを颯爽と運転する彼女にすっかりと魅了されてしまった。盗難シーン無しで、いきなり美しい真珠のネックレスを身につけたハサウェイを登場させ、意外なタイミングでいきなり悪役ベインにバットマンを引き渡す悪女ぶりを際立たせる展開。ラストの二人のハッピーシーンを生かす意味もありノーラン監督、流石の演出。
命と引き換えにゴッサム市を核爆発から救ったバットマン、今後は誰が街を守るのか、そしてウエインが幸せになった姿を見たかったのにと傷心の状態で執事をやめたマイケル・ケイン。それら全てを短く凝縮したかたちで解決するラストの映像が、ハンス•ジマーによる音楽も相まって実にカッコ良かった。この監督、やはり最高。