劇場公開日 2012年7月28日

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「本当はバットマンなんか要らない」ダークナイト ライジング f(unction)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0本当はバットマンなんか要らない

2019年2月27日
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興奮

犯罪を無くしたいならバットマンなんかいらない。
メカや装備など,バットマンの力の根源は,大富豪ブルース・ウェインの所有する莫大な資産にある。『バットマン・ビギンズ』では,経済格差によって貧困層が犯罪に走ることが示された。つまりブルース・ウェインのような金持ちが富を溜め込むので,貧乏人は困るわけである。それなのにブルースは,自分の財産をばらまくのではなく,バットマンとして犯罪者をボコボコにすることに快感を見出す。ここにバットマンという存在が根本的に抱える自己矛盾が見て取れる。(もちろんノーランは資本主義を否定するわけではないが)
バットマンがいなくなったからといって経済格差が解消されるわけではないが,バットマンが活躍可能で有る限りは経済格差は解消されていない。この状況を,バットマンに華を持たせつついかにして解消するか?ここにストーリーテラーの手腕が発揮されるのだと思う。

f(unction)