「ダークナイトは単体、ビギンズの続編的なライジング」ダークナイト ライジング 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
ダークナイトは単体、ビギンズの続編的なライジング
シリーズ通してヒロインの地味感を払拭するかのようにアン・ハサウェイにマリオン・コティヤールって美女二人とおまけにジュノー・テンプルまで贅沢な女優陣の起用と、渋い脇役シリーズとしてルトガー・ハウアーにエリック・ロバーツから今回はマシュー・モディーンが登場する訳で、三部作の中で一番豪華に思える本作でのキャスティング。
リーアム・ニーソンはスペシャルゲスト的な扱いで、一作目の続編的な展開に戸惑いを隠せない、新しいヴィランはトム・ハーディが演じながらも数年後には同じようなマスク姿で"怒りのデス・ロード"を、無敵感を装いながらも心優しい哀しきモンスターみたいなベインは、呆気なく倒される雑な始末で。
クリストファー・ノーランは一貫して街を混乱させてゴチャゴチャにする終盤を描き、大乱闘の場面は「クローズ ZERO」みたいで警官集団の無謀な突入を含めた演出描写に萎えてくる。
ダークナイト・トリロジーと銘打ったノーランのバットマン三部作は間に挟まれた「ダークナイト」が異端に輝く傑作に、魅力溢れるジョーカーを演じ切ったヒース・レジャーが功労者でもあり、キャットウーマンやロビンを登場させる無理矢理感など全体的に登場するヴィランたち、特にキリアン・マーフィーなんて御丁寧に全シリーズに出演しながらの雑に思える扱い、有終の美を飾ったかのようなクリスチャン・ベールのバットマンですら疎かに思える存在感で、やはりノーランは"007"を撮りたい気持ちが抑えられない心情がダダ漏れ!?
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