「主役はシーザーです。」猿の惑星:創世記(ジェネシス) りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
主役はシーザーです。
人間は、どこまで科学を進歩させることができるのだろう。
どこまで進歩させても良いのだろうか。
科学技術への過信に警鐘をならす作品。
テンポの良いストーリー運びと、リアルな映像で、見る者をぐいぐい惹きつける。
シーザーの気持ちがとてもよくわかるようにつくられていて、感情移入してしまう。
人間への反乱を決意するまでの過程での、シーザーの気持ちがとてもよく理解できる。
特に印象深いシーンがある。
ウィルがシーザーを森林公園へ連れて行き、高い樹木の間を自由に動き回らせる。
外に出られて思いっきり自由に動けて嬉しかったシーザー。
でも、その帰り道、リードに繋がれた犬に吠えられてしまう。
そんな犬と同じように、自分にもリードが付いていることを思い知ったのだ。
その悲しげな表情が、格別に良い。
シーザーに芽生える感情や新しい思惑。
知性を持つが故のシーザーが辿るストーリーが素晴らしい。
猿たちの群れの中でイジメられたシーザーが、どのようにしてリーダーの座を獲得するのか。
その過程も良く分かり、人間社会でも通用するエピソードは秀逸だ。
サンフランシスコという土地をうまく生かしていた。
ゴールデン・ゲート・ブリッジでの人間との戦いは、アクション映画さながらの興奮度がある。
また、シーザーのNo.1部下のゴリラが発揮する犠牲的行動。
自分を救いだしてくれたお礼か、はたまた仲間のリーダーを失う訳にはいかぬということか、攻撃の矢面に立つ。
もう涙が出そうだった。
でも、泣かなかった。
いえ、泣けなかった。
そんなヒマなかった。
シーザーが最初に発する言葉が≪NO!≫というのも、興味深い。
シーザーの豊かな表情と目。
毛むくじゃらの背中に、超可愛いお尻。
魅せられました。
欲を言えば、ウィルとシーザーの≪絆≫をもう少し描いて欲しかった。
そうそう、ハリポタシリーズのドラコ・マルホイ君が、今回も意地悪な役。
上手いね。