「久しぶりにフィンチャーらしい緊張感」ドラゴン・タトゥーの女 CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりにフィンチャーらしい緊張感
とくに予備知識なく、フィンチャーの話題作ってことだけで見たが、久しぶりにデヴィッド・フィンチャー監督らしい緊張感のある映画で、とても良かった。
オープニングのスタイリッシュな映像を見たときは、「あぁ、そっちの作品かぁ……」とあまり期待できなくなった(スタイリッシュなフィンチャー作品も嫌いではないが、個人的には、そっち系にはそれほど期待していない)。ところが、本編が始まると、グッと落ち着いた映像と、テンポいいサスペンスだという事はすぐに分かった。観賞後に解説を読んで、初めてスウェーデンのベストセラーが原作で、すでに本国で映画化されているという事を知ったが、それも十分にうなづける。物語の構成が面白い。その上、フィンチャーらしい緊張感がストーリー上の事件が解決するまで続き、作品に引き込まれる。本筋が解決後の終盤が、やや冗長に感じたが、これは続編に続いていく原作に沿っているのだろう。
少し蛇足的なことを言えば、この映画を見ていると、男ってものが如何に最低の生き物かという事を考えさせられる。ダニエル・クレイグ演じる主人公を始め、ここに出てくる男達の生態の、何と醜い事か……。
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