「音の使い方が絶妙」ドラゴン・タトゥーの女 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
音の使い方が絶妙
クリックして本文を読む
原作本は未読、スウェーデン版映画「ミレニアム」3部作は鑑賞済みで本作を観ました。
まず気がついたのは音の使い方がすごく良いということ。オープニングの「移民の歌」にグッときたし、「ソーシャル・ネットワーク」同様、BGM、息づかい、ドアの音、その他些細な音にまで神経が行き届いている感じで、作品に立体感をもたらしている。それはまるで音が創る3D感。
スウェーデン版より本作のほうがキレイでスマートな作品になってますね。スウェーデン版のリズベットはもっと尖ってて閉じたイメージ(そうなってしまう過去を続編で明かしていく訳ですけど)、恋心も素直に表せない女なのに対して、本作は女性らしさがある。それと犯人の残忍さもスウェーデン版のほうがありました。決定的に違うのはラストシーンです。完全に恋する女性ですよね(相手がジェームズ・ボンドじゃ仕方ないか)。しかも「ソーシャル・ネットワーク」と同じく成就しない虚無感のうちにエンディング。本作にハリウッド・リメイクのプライドを感じましたが、どうしても初めに観たスウェーデン版リズベットの愛を知らず、人間不信なイメージが強すぎて、本作のリズベットには馴染めなかったけど、映画自体はとても良い作品なので、これを観た後でスウェーデン版と見比べても面白いのではないでしょうか。
コメントする