劇場公開日 2012年2月10日

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「デヴィッド・フィンチャー監督の才能に脱帽」ドラゴン・タトゥーの女 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0デヴィッド・フィンチャー監督の才能に脱帽

2019年6月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

やられました
凄い作品です
何もかも完璧です
デヴィッド・フィンチャー監督の才能恐るべしです

主人公はダニエル・クレイグ演ずる雑誌記者ミカエルのようで、やはり題名通りドラゴン・タトゥーの女リスベット
それは長過ぎるエピローグに現れています
本作のテーマはミカエルの謎解きではなく、それを手伝うことでリスベットに起こる変化こそがテーマだったと思います

それ故にダニエル・クレイグ とルーニー・マーラの持ってる容姿と雰囲気が要求されたのだと思います

リスベットのピアス、刺青、ヘアスタイル、服装で偽装され隠された彼女の本質
その純粋さ清潔さをルーニー・マーラの小柄で華奢な姿形、肌の色、顔を見ない演技が見事に表現しているのです

長いエピローグは彼女の恋の為の行動のシークエンスです
これを描く為にあの恐ろしい長い複雑な物語があった訳です

ダニエル・クレイグは彼女の父に相当する年です
こうであってほしかった父の姿と行動と精神を体現する容姿なわけです

複雑で過酷な家庭環境で彼女は虐待を受け愛情を知らずに育ち、正常な男女の愛情を持てなくなってはいても、実は愛情に飢えているのです
つまり、普通の少女が辿る一番近い異性である父に恋する少女から、思春期を経て大人の女性と成長していいく物語なのです
この凄惨な物語の中でミカエルで出会うことで彼女の内面に起こる変化を描くことがバックボーンとして貫いているのです

本作はあの様に強烈な内容であっても少しもブレず、リスベットの物語として完結しています

冒頭のタイトルバックのスタイリッシュなこと
もうこれだけでノックアウトです
これから始まる物語の性質を示す映像をリスベットを象徴する楽曲で彩っています
歌は超有名なレッドツェッペリンの移民の歌の現代的なリメイク
攻撃的な歌詞と楽曲が内容の強烈さを予告しているわけです

3時間弱の長い上映時間を一瞬も集中力を途切れさせず画面に釘付けにされました
デヴィッド・フィンチャーの手腕や恐るべしです

あき240