劇場公開日 2012年2月10日

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「コンビの妙」ドラゴン・タトゥーの女 独りよがりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0コンビの妙

2017年8月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

スクープを逃したダメ編集者と多分悲惨な過去を持つ謎のヤンキー風天才ハッカー女子とによる謎解き物語。登場するセレブ一族の血縁関係がややこしかったが、VODだったから時折見返しながら、鑑賞するけれど、多分劇場だったらもう一回見ようと思うことになったと思われます。
こうした一族のどろどろ話しは、若い頃から大好きで、まるで金田一耕助の映画を見てるような気になってましたが、この映画は編集者と女子ハッカーの背景を描きつつ、セレブ一族の闇を暴く構成になっているので、その分、一族を焦点にあてたドラマ性が薄くなるのは否めなかった。ただ、おかげで、編集者と女子ハッカーのコンビ振りがとても面白く思えたから、これはこれでありの展開なんだろうなあとは思います。007のダニエルが大好きな私としては、かっこいいけどちょいと間抜けな役で女子達に翻弄されるこの役柄が可愛く思えて、このコンビの続編に期待したところですが、ググると、どうもそれは無理のようではありました。
北欧系の物語を原作にしたサスペンスでは、ドラマで「キリング」を全シーズン見たけれど、雨とか雪とかの暗くて寒い映像を背景に主人公の闇と犯罪者の闇が折り重なって描かれるところはそっくりとも思う。また、デビッドフィンチャー監督なので、本作品もセブン風かと思ったけれど、本作品そのものはキリングやセブンほど暗くなかったのは救いでもありました。ちょっぴり、あったかくしんみりさせるところもあるし。ちょい詰め込み過ぎで散漫な印象にもなるけれど、鑑賞後の余韻はとても良かったです。

独りよがり