劇場公開日 2011年10月1日

「もったいなさもあるが、良質な映画」DOG×POLICE 純白の絆 ROUGHLAUGHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もったいなさもあるが、良質な映画

2011年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

試写会に行ってきました。

市原隼人主演、戸田恵梨香、時任三郎、カンニング竹山らが脇を固める
この映画は警備犬を徹底取材し、作り上げたもので、
わたしたちが今まで知らなかった警備犬やその実態を
エンターテイメントに魅せてくれる映画になっています。

この映画の前半は、主人公の勇作が自分の欠点
(単独行動ばかりで信頼関係が無い)を指摘されたり、
自分のバディであるシロとの交流を深めていったり、
周囲の懸命な努力を見て猛省し、仲間との交流も深めていくなどの過程が
とても丹念に描かれています。

そして、物語は大詰めになり、今度はこの映画の別の側面が出てきます。
迫力のある映像とスピードとスリルとアクション。
もちろん前半にも緊張の場面が描かれてはいましたが
この後半はドキドキの連続で
さっきまでとは打って変った展開になるのです。

そう。
この映画には、実録的な部分と映画としてのエンターテイナーな部分の
両方を味わえる魅力があるのです。

実際この後半で驚きの声や女性のすすり泣く声も聞こえてきました。
そういった意味でも見ごたえのある映画だと思います。

ただ惜しむらくは、前半に丹念に描いた主人公の成長過程。
ここがアクション性などを追求するあまりおざなりになってしまった事。

おまけにその仲間たちにほとんど見せ場がないというのはもったいなかった。
主要キャストは主人公・ヒロイン・上司の3人であと犯人いればいいんじゃね?的な
そんな事を感じさせてしまった後半戦は残念な点でした。

しかし、これほどまでに丹念に警備犬とハンドラーの事を描きつつ、
観る者の心をあらゆる方向に動かしていくストーリーと
映像の迫力、そして登場人物たちの熱さには素直に感動しました。

ぜひスクリーンで、と言いたい映画です。

ROUGHLAUGH