劇場公開日 2011年10月29日

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「半径数メートルの世界」ウィンターズ・ボーン タニーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5半径数メートルの世界

2013年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

面白かった。

主人公は17歳の女の子で、父親が家を保釈金の担保にしたまま失踪したため窮地に立たされ、父親を探すことになる。主人公の住んでいる村はコミュニティぐるみでドラッグをさばいていて、親父はドラッグディーラーだったが「村の掟」を破ったことで殺されたらしいことが分かる。

普通だったら主人公の目的が「親父を殺したヤツを突き止める」になりそうなのにあくまで「家を守るため親父を探す」なのがいいと思った。主人公の少女の目線、半径数メートルのことしか描かれないし、少女も見渡せる数メートルの世界を守るので精一杯なんだな~と思った。

食うや食わずで学校にも通えない。父親は失踪し、母親はうつ病。弟と妹はまだ小さい。家族を自分が支えなければならない。現実から目を背けるには伯父のようにドラッグをやるか、母のように心を病むしかないのか。主人公が軍隊に志願するシーンで志望の理由を聞かれて「まずお金。あと旅もできるし」とちょっと恥ずかしそうに言うのが泣けた。

途中、伯父さんが急にバーで張り込みして、おっさんの車のフロントガラスを割ったりするところがイマイチ分からなかった。

あと子供の演出もよかった。友達の赤ちゃんがドアのベルをチリンチリンいじってるとことか、本筋とは関係ないところだけどよかった。

タニー