「重々しく、痛々しく、そして力強く」ウィンターズ・ボーン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
重々しく、痛々しく、そして力強く
ミズーリ州南部の田舎で精神を病んだ母と幼い弟妹を養う17歳の少女リー。ある日、父が家と土地を保釈金の担保にして失踪。立ち退きを免れるべく、リーは父を捜す…。
2010年度アカデミー賞4部門(作品・主演女優・助演男優・脚色)ノミネート。
旬な女優、ジェニファー・ローレンスのブレイク作。
映画は重々しく、ヒリヒリとしたサスペンス・タッチで進む。
17歳の少女にこの現実は過酷だ。八方塞がりの極貧生活、薬物、ワケありの父の親戚や知人たち…。
時にそれらが牙を剥き、危険な世界に足を踏み入れて行く…。
しかしながら、リーはタフだ。一歩も退かず、食ってかかる事も。
彼女をそこまで駆り立てるものは何か?
俗な言い方だが、守らなければいけないものがあるから。自分が守らないといけないから。
そんな少女の姿が頼りがいあると共に、痛々しい。
ジェニファー・ローレンスは抑えながらも力強い演技。これでブレイクしたのも納得。ここまで出来る同世代の女優はなかなか居ないだろう。
リーの唯一の協力者である伯父を演じたジョン・ホークスも存在感放つ。
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