劇場公開日 2011年10月29日

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「ヒルビリーに対する賛歌」ウィンターズ・ボーン GreenTさんの映画レビュー(感想・評価)

ヒルビリーに対する賛歌

2018年3月10日
PCから投稿

田舎者で貧しく学がないと言われているヒルビリーの閉鎖的なソサエティで起こった犯罪と、ひどい生活を暴く映画かと思いきや、意外にもこれはこの土地に対する賛歌なのだと思った。原作者のダニエル・ウッドレルは、この映画の舞台となったミズーリ州のオザークという高原地帯を背景とした小説ばかり書いているらしい。ヒルビリーは、自分で銃をとり、リスを殺して毛皮を剥いて食べるが、数匹のリスを獲るのに長い間じっと座って待っているというプロセスがあり、大量に殺せる訳ではないので、これはもう、「共存」だと思う。そして、狭く閉鎖的なソサエティではあるが、都会でたくさんの人と出会っても、ネットで世界中の人と交流しても、それで私たちは幸せになったんだろうか?私たちは「生活が豊かである」ということを、何か勘違いしているのではないか、と思わされた。もちろん、私は現代文明にどっぷり浸かっているので、今さらこういう生活できるとは思わないが、非常にノスタルジックな思いにさせられる、ほとんど憧れに近い思いにさせられた。

GreenT