「奥深い序章。」X-MEN:ファースト・ジェネレーション ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
奥深い序章。
シリーズのファンなら誰もが頷くだろう、完全序章版。
これだけ辻褄が合うと観ている方も興奮状態^^;いや~面白かった。
なんか最近こういった「シリーズ0」モノがよく作られているけど、
どうもその後のシリーズと一線を画したような出来栄えのものが多く、
幾らなんでも頭の中で繋がらないよ~(汗)と泣きたくなるものが多い
そんな中、よくこれだけイメージを合わせたもんだわ、と拍手したいv
もちろん製作にB・シンガーが帰ってきているし、新進監督M・ヴォーン
も、キックアスはまぐれじゃなかったでしょ?といわんばかりの腕前。
役者達も適材適所、
とくに二人の若き日を演じたJ・マカヴォイとM・ファスベンダーには
このまま彼らのシリーズをもう少し観たい…と思わせてくれる。
アッと驚くあのヒトの出演^^;…たったあれだけでもインパクト大!
重々しい雰囲気のドラマかと思いきや、けっこう笑える箇所も多く、
彼らがスカウトする光景や、そのスカウトしてきた若ミュー(爆)たちの
暴走ぶりがけっこう面白い。のちのシリーズの核となる者もいれば、
ん!?この子いなかったよね?(覚えていないだけか^^;)なんてのも
あって、記憶の辻褄を合わせるのも語り合うのも楽しい。シリーズの
原点を美味く調味したこのスタッフ・俳優陣にはシリーズ最高得点をv
さて…。なんかこれだけ原点を観ちゃうと、もう一回ウルヴァリンの
アカデミー入学から観てみたくもなるけど…(おととい来やがれ!爆)
あのアカデミーが創設された背景には、こんな恐ろしく悲しい過去が
存在していたのだ…ミスティークは、そうか、そういうことだったのね。
どう見ても平和主義者のプロフェッサーX(名付け親も判明します^^;)と
人間を憎むマグニートーの間に友情はあるものの、それまで育ってきた
環境というものは変えられないし、誰だってマグニートーみたいな子供
時代を送ったら、反逆や復讐に燃えたくもなるでしょうが!その怒りを
なんとか平静な方向へ転化させ、彼のエネルギーを最大限に良い方向へ
導こうと必死なプロフェッサーの想いも伝わる。後半の闘い、その果てに
彼らが選択する道は否定できない哀しみに満ちている。他の若ミューも
自らの選択で自身の運命が左右される岐路に立たされる。なんだか…
彼らを見ていると、どうして人間ってやつは!!と思えてならないが(汗)
まだ髪の毛がフッサフサのチャールズ(何回もこのネタをいうので笑える)
だが、彼が車いすになったいきさつには泣けた。(分かってはいても…)
エリックが怒りを鎮める苦労も、復讐することでしか自身を解放できない
苦しみも泣ける。このシリーズの面白いところは、どのミュータントにも
それぞれのいきさつや悲しい過去があったりで、皆に共感できるところ。
見た目で彼らを排除しようとする人間、力を使って利用しようと企む人間、
ミュータントがどんなに平和共存を望んでも、対する人間側が根本から
変わらなければ、ダメなんだろうと(人間同士でもそうなんだから)虚しい
気持ちは消えない…アクションも映像も見事だが、ドラマ性も十分なので
無駄なく時間を使い切っている本作。序章にしてこの奥深さ。素晴らしい。
(ますます好きだわ~このシリーズ。末長くシリーズ継続お願いします^^;)