劇場公開日 2011年6月11日

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X-MEN:ファースト・ジェネレーション : 映画評論・批評

2011年6月7日更新

2011年6月11日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

ふたりのミュータントの友情と決別を濃密なドラマに昇華させたシリーズ最高傑作

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迫害されるミュータントを救うため、最強のテレパスであるプロフェッサーXは人類との平和共存を目指し、磁力を自在に操るマグニートーは人類を滅ぼそうとした。なぜふたりは、目的は同じでも相反する道を選んだのか? 「キック・アス」で異彩を放ったマシュー・ボーン監督は激動の1962年を舞台に、後にプロフェッサーXとなるチャールズと、マグニートーになるエリックが運命的に出会い、互いに認め合って友情を育みながら決別するまでの日々を繊細かつ劇的に描いていく。

チャールズは、子供の頃に孤独なミュータント少女(後のミスティーク)と出会い、彼女を妹のように守ってきた。一方のエリックは、ナチに母親を殺され、復讐を誓ってひとり生き抜いてきた。そんなふたりが、それぞれの立場で悪の化身のような元ナチのミュータントを追って出会う展開が絶妙。“キューバ危機”を違和感なく絡めた息詰まる状況下で、怒りのままに自爆しそうなエリックをチャールズは体を張って止め、哀しみに満ちた心を読んで彼を救おうとし、友情が生まれるのだ。

人の心を操作し、戦闘を回避させようとするチャールズ。武器をねじ曲げ、力を誇示して人を押さえ込もうとするエリック。対照的なふたりの葛藤を軸にミュータントの哀しみやコンプレックスの深さ、ミュータントを恐れ排除しようとする人類の心の狭さや弱さが、ビーストやミスティークの誕生秘話など3部作へつながるエピソードの数々と共にていねいに綴られ、二転三転するクライマックスへと雪崩込む。

ドラマもアクションも濃密で、青春群像を体現する役者たちの演技も素晴らしく、先の3部作が本作の序章に思えてしまう傑作だ。

山口直樹

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