劇場公開日 2011年6月11日

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「異形の者の哀しみがわかるか!」X-MEN:ファースト・ジェネレーション 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0異形の者の哀しみがわかるか!

2011年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

今までのX-MENシリーズに比べて、アクション満載にはなっていないと思った。それよりも人間ドラマが中心。原作のコミックとは若干違うそうだが、前日譚として泣かせようとした「ウルヴァリン」より興味深かった。後のプロフェッサーXとマグニートー。この二人のドラマに特に惹きつけられた。チャールズが聖人君子でなく、傲慢なところもあるのがおもしろい。女の子をナンパしたがるし、レイヴンの気持ちを知りながら、受け入れない。エリックは1作目でも描かれたが、ナチスの犠牲者だ。その暗い過去からどうしても逃れられない。不幸な人だ。また「キューバ危機」という歴史的事実にX-MENの話を絡めたことは、結果を知っていながらも、ドキドキさせられた。脚本のヒットだろう。ミュータントの中にも、その能力を隠そうとする者もいれば、隠さずに生きたいと願う者もいて、それぞれだ。X-MENはミュータントという形をとっているけど、これっていろいろな人種がいる人類と同じだなって思う。あるがまま流されて生きていくか、最大限努力して頑張るのか? 自分はどう生きたいのか? それを問うている気がした。意外に深い内容だと思った。

瑞