「次世代のスター達が集結した豪華キャストが見所! 過去作と辻褄が合わないのは仕様?」X-MEN:ファースト・ジェネレーション たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
次世代のスター達が集結した豪華キャストが見所! 過去作と辻褄が合わないのは仕様?
『X-MEN』シリーズの第5作目にして、若きプロフェッサーXとマグニートーを主人公に据えたプリクエル。
新シリーズの第1作でもある。
東西冷戦下を舞台に、世界の裏で暗躍するミュータント集団にプロフェッサーX&マグニートー軍団が立ち向かう。
監督/脚本は『レイヤー・ケーキ』『キック・アス』のマシュー・ボーン。
主人公の一人、若き日のチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXを演じるのは『ナルニア国物語/第1章』『ウォンテッド』のジェームズ・マカヴォイ。
もう一人の主人公、若き日のエリック・レーンシャー/マグニートーを演じるのは『300』『イングロリアス・バスターズ』の、名優マイケル・ファスベンダー。
元ナチスの科学者でマグニートーの仇敵、クラウス・シュミット/セバスチャン・ショウを演じるのは『インビジブル』『ミスティック・リバー』の、名優ケヴィン・ベーコン。
CIAのエージェント、モイラ・マクタガートを演じるのは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『マリー・アントワネット』の、名優ローズ・バーン。
若き日のレイヴン・ダークホルム/ミスティークを演じるのは『ウィンターズ・ボーン』『今日、キミに会えたら』の、後のオスカー女優ジェニファー・ローレンス。
CIAに所属する天才科学者ハンク・マッコイを演じるのは『アバウト・ア・ボーイ』『シングルマン』のニコラス・ホルト。
昆虫の様な羽根を持ち、口から強酸を吐くことが出来るミュータント、エンジェル・サルバドーレを演じるのは『ブレイブ ワン』『なんだかおかしな物語/ボクの人生を変えた5日間』のゾーイ・クラヴィッツ。
口から高振動波を発することが出来るミュータント、ショーン・キャシディ/バンシーを演じるのは『ラスト・エクソシズム』の、名優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
また、ローガン/ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンがカメオ出演している。
製作総指揮はスタン・リー。
『X-MEN』シリーズの5作目は、前作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』同様、メインキャラクターの過去に焦点を当てた作品となっている。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』は1980年代初頭ぐらいを舞台にしているが、本作はそれより更に前、キューバ危機が起こった1962年を舞台にしており、5作品の中で最も古い物語が展開される。
本作が「X-メン」創立の物語なので、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』は全然『ZERO』じゃなかったことが発覚。適当な邦題をつけるとこういうことになるんだよなぁ…😅
歴史的な出来事の裏側には、実はミュータント達が暗躍していた!というスパイ映画のような作品。
ケネディ大統領の実際の映像なんかも出てきて、フィクションながらなんとなくリアリティのある物語が楽しめる。
ジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズなど、この後大活躍するようになるスター達が揃っているのも見所。
特にマグニートーを演じるマイケル・ファスベンダー。彼のオーラは凄い!
ファスベンダーが画面に映っているだけで、なんか凄いことが起こりそうな雰囲気が漂ってくる。
そして若いキャストが多い中、ベテランであるケヴィン・ベーコンがしっかり脇を固めていました。
クソダサヘルメットを被ってウキウキしているベーコンを観ることが出来るぞ!ベーコンファンは必見!
プロフェッサーXのザ・ワールドで停止している筈のベーコンが、頑張って止まろうとしてプルプルしているところはなかなかにシュールで笑える😂
未熟なミュータント達を集めて特訓するという展開は過去作にもいくらかあったと思うが、本作の描写が一番だと思う。
ここが本作で一番盛り上がったところ。この若きX-メンたちのやり取りをもっと観ていたかった。
マグニートーが馬鹿でかいレーダーを動かそうとするシーン、ファスベンダーの演技も相まって最高にエモーショナルだった。
プロフェッサーXとマグニートーの出会いだけでなく、恵まれし子らの学園の創立秘話やビーストの誕生、セレブロやX-MEN専用飛行機、キュアの原型など、過去作品のあれやこれやを補完するような展開やアイテムが沢山出てくる。
一番驚いたのはミスティークとプロフェッサーXが兄妹のような関係だったこと。そんなんこれまで全然無かったやん💦
ミスティークが実はお婆ちゃんだったとは…。ミュータントって不思議。
ここまでのシリーズ作品の中では、一番ちゃんと映画になっている作品な気がする。
でも、個人的にはそこまでハマらなかった。
正直130分がかなり長く感じてしまった。
まず、盛り上がるまでの展開が結構退屈。
マグニートーやX-メンが大暴れするという展開こそ、自分が『X-MEN』シリーズに望んでいるもの。
政治的なシーンはどうでも良いので、もっとX-メンの活躍シーンを増やして欲しかった。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の時に感じたCGの酷さだが、本作ではそんなに気にならなかった。
とはいえ、終盤のバンシーvsエンジェルの空中戦は正直かなりダサかった💦
本作は冷戦という歴史的事件を取り扱ったかなりシリアスで真面目な物語なので、特撮番組みたいな映像を観させられるとかなり冷めちゃう。
セバスチャン・ショウのカウンター能力はかなり強力だし見た目もカッコ良い。
それだけにあの倒し方は残念だった。時止め強すぎ!
プロフェッサーXが強すぎるという問題は本作でも気になるポイントだったなぁ。もっとマグニートーvsショウの激アツバトルが観たかったなー。
んで、やっぱり気になっちゃうのは過去作と辻褄が合っていないという点。
ジーンをスカウトする段階ではプロフェッサーXとマグニートーってまだ仲良しっぽかったような…🤔
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のラスト、プロフェッサーXは歩けていたような…🤔
『X-MEN: ファイナル ディシジョン』に出てきたモイラと、年齢が合わないような…🤔
次回作の展開をみるに、この辺りは意図的に矛盾させているのかしら?そうであって欲しい。
良く出来ていた映画だったが、スーパーヒーロー映画らしいパワフルさに欠けていたような感じがした。
やっぱり『X-MEN』シリーズは、ウルヴァリンの活躍が見たいな〜。
とはいえ、今後どういう展開を迎えるのか、割と気になる。