劇場公開日 2011年6月11日

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「 1944年ポーランド。ナチスのゲットーに隔離されたユダヤ人少年エ...」X-MEN:ファースト・ジェネレーション kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 1944年ポーランド。ナチスのゲットーに隔離されたユダヤ人少年エ...

2018年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 1944年ポーランド。ナチスのゲットーに隔離されたユダヤ人少年エリック。両親と引き離されるとき念力の能力を発揮して扉を曲げる。その能力に気付いたナチスの将校セバスチャン・ショウ(ベーコン)は彼の母親を殺し、能力を試す。 同じ年、アメリカ。チャールズは少女レイブンと出会い、自分と同じミュータントだと気づく。

 時は流れ、1962年。アメリカはトルコに中距離核弾頭ミサイルを配備し、米ソの緊張が高まりつつある中、CIA女性局員モイラ・マクタガート(ローズ・バーン)はミュータントの調査を始め、強力なテレパシー能力を持つチャールズ・エグゼビア(マカヴォイ)とレイブン(ジェニファー・ローレンス)をCIAに引き入れる。一方、成長したエリック・レーンシャー(ファスベンダー)は母親の仇であるショウを探していた。

 第三次世界大戦を起こしたいショウはソ連に加担し、キューバへの核配備を画策し、テレパシー能力のあるエマ(ジャニュアリー・ジョーンズ)を使い、首脳部を動かすのだ。エリックが最初にショウを見つけ念力格闘したとき、チャールズが彼を助け、仲間となる。ショウ側の超能力軍団に対抗するため、チャールズが中心となり仲間を集め出す。次第に様相は米ソ対立の縮図となってゆくのだ。仲間探しのときにカメオ出演のローガン(ヒュー・ジャックマン)が速攻で断ったところが笑える。

 こんな能力が役に立つのか?と思えるミュータントでもきちんと見せ場を作ってくれるし、シリーズ内でもワンパターン化させない努力が見られる。ストーリーもキューバ危機を題材にしてはいるが、人間同士はこうも常に争わねばならないのかと痛感する。しかも、危機を回避した後にはミュータントたちに牙を剥く人間たち。この展開は早すぎたと思うが、人間の醜さをも描いているのだ。

 チャールズは人間とミュータントとの共存を望み、戦争を無くすことが理想であるのに対し、エリックは結局ショウの理想をそのまま受け継いだかのような恰好になった。そして最後には袂を分かつ2人。これが前3部作に繋がるのかと思うと、もう一度シリーズを見直したくなってきたぞ!

kossy