「おおかみとアウトサイダー」赤ずきん merowlinkさんの映画レビュー(感想・評価)
おおかみとアウトサイダー
クリックして本文を読む
見終えたところまず甘美なファンタジック・ホラーの趣きを感じるのですが
しかし制作に名を連ねたディカプリオはそこにどのような別の要素を盛り込みたかったか… と勘繰ってみたくなります。
物語の重要な要素として犯人探しのミステリーもあるけれど
後になってそれは家族の血脈がポイントであることに気づかされる。
それぞれ陰を抱えた祖母・父・母・姉、そして主人公のバレリー
閉鎖的な集落の中で彼女の存在が浮いているように見えるのはその美貌と性格だけが原因ではないように思えます。
そしてクライマックスで明らかにされる、脈々と続く血の繋がり。
裏切られ行き場を失った父は、逆らえない運命から娘と共に逃れようと足掻いたあげくに自滅しますが
一人娘バレリーの選んだ道は…
こうみると誰もが知ってる童話をベースにしながら、一人の女性の生き様をリリカルに切り取った話にも思えます。
狼が訪れるのを小屋でひっそり待ち受ける女性というのも寓意的な印象を受けます。
(個人的に面白かったのは鉄仮面や拘束用器具などの中世風な道具)
●ラブストーリーやミステリーといったジャンルにとらわれないバランスの取れた作品だと思うので3.0点
コメントする