「大事なのは今、なにをするか」アンノウン くまのさんの映画レビュー(感想・評価)
大事なのは今、なにをするか
事故に遭い記憶に障害が起きる主人公。少しずつ思い出すことができた自分の居場所には、身元が証明できる物や情報を持つ別の人間がいて、愛する妻にさえ「知らない」という怪訝な眼差しを投げられるという…自分が知る世界が無い状況は、信じられないし受け入れたくもない。そして『アンノウン』というタイトルが頭の中にパッと浮かびぴったりはまった感にドキドキ興奮して気持ちが良かったです。冒頭からとてもワクワクさせて貰いました。
この記憶障害と、自らが創作した筋書き+キャラクターという設定がうまい。都合がいいっちゃいいような気もするけど、医者の説明の通りなのだろうと納得がいく。
「こういうこと?」「え?どういうこと?」と二転三転考えさせられ(ストーリー自体はもちろん一本筋が通ってます)良い意味で翻弄されて楽しい。
知りたいと思うこと、けれど追い求めた先の真実を知るのは良いことなのか、知らない方が幸せな事もある、されど知る権利、その時自分が取る行動とは?…度重なるメッセージにアクション、ぞくぞくしました。
映画は、追及し自分を取り戻し、真実を知りガッカリするも悪に立ち向かうというエンドなので格好よく清々しいです。
ラストに偽造をして新しいパートナーと新しい人生をスタートさせるのだけど、偽造するという行為に「あれ?正義の人になったんじゃ…」と疑問が浮かんでしまいました、が!どんな自分でいたいかという芯をしっかり持った二人なら大丈夫だろうという安心のような信頼を持てたので、観る者へ解釈を投げた曖昧な終わり方も良かったです。その後を自由に想像できるし、もっと見たくなる!
登場人物のそれぞれが格好いいですね。
殺し屋集団の物語も見たくなりました。発足の始まりや、リーアムニーソン演じる人物がなぜその集団にいるのか経緯など、またその仕事っぷりとか。リズとの相方っぷりとか。
事前に替え玉の準備(写真をとる)をしていた所が分からなかった。保険的な事?
なにはともあれ、そんな疑問は些細なこと。楽しめます。とても面白かったです!興奮!