天地明察のレビュー・感想・評価
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知的プラス恋愛
日本の暦の歴史とほのかな恋愛ドラマの両方が盛り込まれていて、時間も長いし、満足感は十分の映画だと思います。
原作や歴史的背景は知りませんでしたので、知識欲はかなり満たされました。
エピソードが沢山あるので、整合が未決のものも残っている気はします。
最後の方に回想をする事で、全ては清算されるという技法かとも思いましたが。
ラストのハラキリシーンはかなり臭いので、そこまでじらすことは無いのではないかと、思いました。
他の方のレビューにも有りましたが、主役の夫婦のメークが老けていかないので、苦労が伝わりにくかったです。
あと、問題を出し合っているようなのですが、一問ぐらいは、丁寧に内容を紹介して貰わないと、何をやっているのかさっぱり伝わってきません。そろばんや当時の計算道具なんかも使っていましたが、この辺を丁寧に紹介してれば国際的な話題性も豊かになったと思います。
もう少しまとめてほしい
原作を読んだものはやっぱり観るべきじゃない。
毎度のことだけど、原作読んでるのは観るべきじゃない。普通に割と分厚いあの内容の1冊をたった2時間で表現するのは難しいんだと思う。ちらっと、みんなのレビュー観たら同じようなこと書いてる。
ただ、本を読んでたからわかる部分とかもあって、なんとも言えん。キャストは良かったな。これでちゃーーんと省かず作ってくれたら面白かったな。
明察ってそういうことか〜
二時間に収めようというのはわかるが…
もったいない・・・
映画より大河ドラマ
“暦”という非常に生活に密着していながらその歴史についてはまったくと言っていい程無知だったので、原作はとても興味深く読んだ。優れた小説ならば映像化したいと考えるのは当然だが、果たして映画という媒体が相応しかったかどうか?そもそもあの原作のボリュームを2時間程度の映画にするのは相当ハードルが高い。主人公安井算哲を巡る登場人物だけでも相当な人数だ。キャスティングが悪いとは思わない。でも、この物語を描くには到底2時間程度では足りないのだ。2時間程度ではあらすじを辿るのが精一杯だし、算哲と周囲の人間との関係、歴史的背景についてはどうしても駆け足になるし、説明不足になってしまう。原作を読んだ時から感じていたが、これは映画よりも是非大河ドラマで1年掛けてじっくりと描くべき素材だと思う。
天下泰平とは、新しい息吹きを消すことだ
映画「天地明察」(滝田洋二郎監督)から。
久しぶりにスケールの大きい、そしてワクワクする映画だった。
20年以上の歳月をかけて、日本独自の太陰暦を作り上げていく様子、
そして、江戸時代前期の町民たち様子が活き活きと伝わってきた。
乱世の時代が終わり、まさしく「天下泰平」を楽しんでいるが、
その「天下泰平」にこそ、危機感を感じている表現が気に入った。
作品からメモした原文は、もう少し長い。
「天下泰平とは、戦う気概を忘れさせ、
ぬくぬくとした暮らしに埋もれ、羽ばたく意欲を奪うものでもある。
すなわち、新しい息吹きを消すことだ」
そして「このままでは、この大和は滅んでしまうのう」
平和は決して悪いことではないが、世の中の何かを変えようとか、
新しいことに対する挑戦などは、保守的な人たちによって消されてしまう。
これはいつの世でも同じことであろう。
「現状に満足した時点で成長は止まる」そんな言葉が頭に浮かんだ。
いろいろな場面で、その視点を持ち続け、若い人たちの新しい息吹きを
我々の世代が消さぬようにしなければ・・・。
P.S.
江戸が、こんなに算術・天文学が盛んだったなんて驚きだなぁ。
しかし、ここでも「会津藩」が大活躍。人材豊富な地だったに違いない。
10/30に見ました。
あおいちゃん
原作未読です。
撮影では宮崎あおいが終盤から参加とのことで
映画でこれほど2人のシーンがあるにもかかわらず
終盤から一気に2人のシーンを撮った、ということは……
さぞかし濃密な撮影だったことでしょう。
そりゃ実生活で恋仲にもなるわなw
と、ワイドショー的な側面は置いといて、
及第点の映画でした。
あっ、宮崎あおいちゃんの笑顔は満点ですw
日本的な床への誘い方も可愛くて可愛くてw
ええ、満点です!
おくりびとのような大泣きする映画ではないですけれど
丁寧につくられていて
難しい算術や天文に明るくなくても観られます。
周りをかためる俳優も一人をのぞき
申し分ありませんでした。
地道で地味で苦労が多い上に
ドラマティックな見せ場を作ろうにも難しそうな題材を
これだけの人間ドラマに昇華させたのは
すごいと思います。
原作好きにはお勧めしないかな
なんだかなあ、な出来。感想の第一声はこれです。
正直、映画化の情報を見た時から不安は感じていました。
算哲と個人的に陰の主役だと思っている本因坊が両方ジャニーズ枠、しかもあらすじと人物紹介から察するに、えんと算哲の関係が単純化されている気配…いやいやまさか――と。
で、実際に見て不安は的中、どころか予想の右斜め上を行かれてしまいました。
黒ずくめ集団とかいらないから、と言うか、会津公水戸公そろって大規模襲撃を察知できないとかないっすよ、ほんと。
本因坊の碁へのまっすぐな情熱や、それに比して自分にそこまでの情熱がないことでどこか引け目を感じる算哲の関係性、愛する人に先立たれる辛さから「自分より早く死なないでほしい」そう口にする算哲の胸中もさっぱり見えません。
だってカットされてるから、そこに至る場面とか伏線とか。
限られた時間にまとめなきゃいけないから仕方ないにしても、せめて算哲が最初の妻に先立たれて身も世もなく落ち込んでいる描写くらいは入れてほしかった。
でないと先述のセリフがあまりに唐突過ぎて、心の動きがさっぱりつかめないと思います。
その他にも中途半端な改変で全体的に流れが不自然だったと思います。
結論:面白さを削って内容を分かりやすくした天地明察の入門編が映画版である
儚いタンポポが、バラの花束の中で映える方法
「おくりびと」で、全世界にその名を知らしめた滝田洋二郎監督が、「東京タワー」の岡田准一を主演に迎えて描く、歴史時代劇。
朴訥に、ただ朴訥に映画作りに取り組み、円熟期を迎えている作り手の才気、意欲、技能に満ち溢れた作品と言えるだろう。「日本が提唱する、日本の暦を作る」一言でいえば、それはそれは地味なテーマである。
巨大なスクリーンで語られる物語として、果たして2時間30分以上の長尺を持たせる事ができるのか。本作の鑑賞に抵抗を覚える方々の多くは、その鑑賞前から力強く目の前に立ち塞がる壁がネックとなっているのだろう。
だが、開始5分でその不安はがらり、がらりと裏切られる事になるだろう。ただただ星が好きな一人の男、主人公となる安井算哲の満面の笑顔から始まる世界。観客は、すぐさま一つの感想にたどり着く。
「可愛い・・・」
そう、この男、イケメンという絶対的な利点を披露する前に、周りを見ずに「ひょこひょこ」と小さい体を振り乱して、路地を走り回る姿。「おおっ!これは!」と、少年漫画のごとく興味の赴くままに笑顔を振りまく愛嬌。ひたすらに、女子の心を物語へと引っ張り込むキュートな魅力がはじけ出す。
よくぞ、ダンディズムと繊細さを内在した生来のスター俳優となった岡田准一を起用した。作り手の目指す「スムーズな導入」と「違和感の払拭」の完成、さすがの職人技が光る。
ぐいっと物語に引き込まれれば、あとは豪華絢爛な日本映画界のスターをそこかしこにぶち込み、「贅沢に使いやがって!」と憤慨している内に、もう観客は飽きる気力も失せていく。とにかく目の前に出来事に「飽きる」事に関しては天才的才気を発揮する現代人の深層心理を理解し尽くした演出操作とマーケティング。さすがの職業監督魂が光る。
だが、流石の職人も「3年間の観測作業」に観客を繋ぎとめるのは容易ではない・・ここまでか。と、思っていたが、そこは映画界という不可能と利己心、金にまみれた世界を生き抜いてきた作り手。単純な観測作業を、スクリーンに叩き付ける技法を見せる。
それが・・パネル!パネルである。
観測作業に挑む主人公たちチームが戦う、往年の暦を書いたパネル。その板を「パン!ぱーん」とひっくり返して、回して、その動作が単調な人間の動きにリズムを与え、長期間の観測作業が躍動する。なるほど、そんな小ネタがありましたか・・と感心しているうちに、「地味」な作業を強引にすっ飛ばし、感動のラストへと岡田、宮崎という美男美女の画を効果的に使って疾走する。
娯楽とは、映画とはこういう無理やり感を前面に押し出す事も一つの手。ううーん、勉強になる。
本作のほか、映画化が決定している「舟を編む」など、映画というステージで勝負するには、強烈にミニマムなテーマが評価される「本屋大賞映画群」。そんなスタートからのハンディを、どこまでスクリーンに昇華できるか。その一つの答えを、ベテラン職人の技をもって見せてくれる一本である。
昔のヲタク
ノーベル章の後だから
オタク明快。
原作はもちろん読んでいない、天文学にも興味がない、疎い、
算術?…いやはや、昔から理数系が大嫌い、ときている自分。
これだけ無知な人間が観ても理解できる作品なんだろうかと
思いつつ、でも主役がジャニーズだし、監督・滝田洋二郎だし、
まぁ大丈夫だろうと踏んだら本当に大丈夫だった(いやはや^^;)
原作はこれほど現代エンターテインメント化してないそうだが、
(そりゃそうだよね)実在した初代天文方の半生と長い道のりを、
楽しく勉強しながら観せてくれたと思う。映画興収も、ご明察。
碁打ちの名家に生まれながら、星と算術にオタク度を発揮する
どうしようもない主人公には冒頭から笑みが零れる。
好きで好きで仕方ない興味には、持って生まれた家系以前に
嵌るだけの要素があるってことなのね。分かるー!とかいって。
しかしそれを基に改暦まで成し遂げてしまう執念には恐れ入る。
彼が存在しなかったら(偉大なる関孝和さんがいましたけれども)
これだけの大事業は成功しなかったかもしれない。何しろ朝廷に
二度も撥ねつけられ(汗)、それでもめげずに上表したんだものね。
元々頭も宜しかったでしょうけれど、オタク精神も負けちゃいない。
こういう不屈の精神モノって、けっこう好きなのだ。
しかしこれだけ長い年月、彼を支えてきた人物達の功績も大きい。
妻・えん(宮崎あおい)は、よく耐えたなぁ~支えたなぁ~と感動し、
関さん、保科さん、建部さん、伊藤さん、そして光圀公、…とまぁ、
演じたキャストもスゴイけど^^;後ろ盾がタダモノではないのよね。
これだけ推してもらったら何が何でも!の心意気は高まるだろう。
失敗して腐っても、またやり直して取り組んでいく春海(算哲)には
観ている方も(長い上映時間にも)頑張れ~!としかいえなかった。
やたら現代風の味付けをしている部分も多いのだろうと思うが、
総じて最後まで楽しめる青春娯楽時代劇だった。
実はあれほど日本中が騒然となった「金環日食」も見ていない私が
(TVでは何度も見たけど)、今作では「食」を何度も見ることができた。
これだけ見れたから由とするか^^;
(しかし正確な暦って確かに大事。そういや実家は毎年買ってるわ)
安井算哲の人格が破綻
映画という限られた尺に収める以上は原作の改変は已むを得ないとはいえ、本作における改変は主人公の性格を原作と正反対にしている点で度し難く、しかも主人公の性格に由来するエピソードを残しているが為に随所に矛盾をきたしている。
例えば冒頭、道策の挑発に簡単に乗って、畏れ多くも御前にて初手天元を打った時点で原作ファンはずっこけるのであるが、かくも命知らずな暴挙を為すほどに囲碁を愛していながら神社に棋譜を忘れるという軽率に、原作ファンならずとも違和感を覚えるべきである。原作において神社に置き忘れたのは刀であり、それは春海(算哲)が刀を差し慣れておらず、また刀に愛着を抱いていないからという、彼の人格や、彼に刀が下された経緯(陰謀)に由来するエピソードだったのだが、映画ではそのような意味が全く失われている。結果、映画の算哲はギラついているくせに迂闊という人格破綻者に成り下がっている。
算哲といえば、映画では主人公の呼称が算哲に統一されている。安井算哲の他に渋川春海等の名を持っていることが、原作では彼のマルチな才能とあやふやな立場ひいては若年期のあやふやな性格を表している。観客の混乱を防ぐために主人公の呼称を統一するというのはありうる考えだとは思うが、安井算哲は碁打ちとしての名であるから、天文を主題とする本作における主人公の名にそぐわない。
さらに算哲は冒頭、安藤に「新作の」算額絵馬が掲げられたと聞いて神社へ行くのだが、そこで算額絵馬の並ぶを見て、あたかも初めてそれを見たかの如く「すごいな江戸は」と呟く。この呟きは原作の再現であるが、それは原作ではこの時初めて江戸の算額絵馬を見たから発せられたのである。原作の改変が不徹底であるために、珍妙な感想となってしまった。
しかもこの時あっさりと、関孝和が映像に登場する。原作では関孝和は後半に至るまで姿の見えない怪物であるが、映画での関孝和はとてつもなく軽い。関の稿本は興味深い程度の物に留まり、算哲は何ら打ちのめされない。これでは算哲が関に執心し2度も出題を挑む意味が無い。
ヒロインであるえんもまたおかしな改変がなされている。算哲とえんは出会った当初から互いにまぐわり合う気が満々だ。えん役の演技は帯を解くことを乞う直前まで、生娘のようである。かような一途さはいかにも映画的ではある。しかしえんが算哲の旅行中にさっさと結婚をし、しかも離縁し算哲に色目を使うに至っては、純愛物語として破綻している。旅から帰った春海とえんが結婚しないことが既定路線である以上、子供じみた純愛物語は成り立たないのだ。
また、途中のチャンバラは、まさか時代劇だから入れなければならないという固定観念のためにいれたのだろうか。算哲が刀を握れないため殺陣は成立せず、さりとて算哲を殺すわけにも行かないから、算哲の命は不自然に助かることとなった。
さらには最終盤である。日食の観測をさんざ行なってきた算哲が、あのタイミングで刀を握るのは違和感がある。これも映画的な演出のためであろう。
結局のところ本作は、原作や原作が前提とする科学・科学者への敬意よりも映画としてのお約束を優先し、しかも原作から「画になるシーン」だけを存置したがために、随所に奇形を生じてしまったのである。
凄い日本人達がいたものだ
江戸時代初期、800年間使われてきた暦の改定に挑んだ男の話。
高い志を見せてくれるプロジェクト物は大好き、公開を楽しみにしていました。
主演のお二人の明るい爽やかな雰囲気を充分に活かした軽快なテンポで、江戸時代の偉業をみせてくれました。
碁を通じて得た人脈と、算術・天文に対するマニアの域を越えたアツい志が、安井算哲の人生を動かしていく。彼を導き助ける人々もまた見事!ストーリーが面白くゾクゾクしました。
凄い日本人が、日本人達がいたものだと誇らしい気分になりました。原作も読みたいと思っています。
当時の天文や算術について、もう少し触れられていると良かったかな。
算盤と棒を使った簡単な四則計算法とか、当時の算術家は円周率を何ケタで計算していたかとか、サラッと映像で説明してくれるとさらに興味がアップしたのにと思います。
豪華なキャスティングがぴったりハマって、安心して観ていられる感じでした。
主役の岡田准一はとてもスクリーン映えするなぁと思いました。
夢を現実にした人
ご明察とは、今ならピンポ~ン
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