「原作好きにはお勧めしないかな」天地明察 クマコウさんの映画レビュー(感想・評価)
原作好きにはお勧めしないかな
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なんだかなあ、な出来。感想の第一声はこれです。
正直、映画化の情報を見た時から不安は感じていました。
算哲と個人的に陰の主役だと思っている本因坊が両方ジャニーズ枠、しかもあらすじと人物紹介から察するに、えんと算哲の関係が単純化されている気配…いやいやまさか――と。
で、実際に見て不安は的中、どころか予想の右斜め上を行かれてしまいました。
黒ずくめ集団とかいらないから、と言うか、会津公水戸公そろって大規模襲撃を察知できないとかないっすよ、ほんと。
本因坊の碁へのまっすぐな情熱や、それに比して自分にそこまでの情熱がないことでどこか引け目を感じる算哲の関係性、愛する人に先立たれる辛さから「自分より早く死なないでほしい」そう口にする算哲の胸中もさっぱり見えません。
だってカットされてるから、そこに至る場面とか伏線とか。
限られた時間にまとめなきゃいけないから仕方ないにしても、せめて算哲が最初の妻に先立たれて身も世もなく落ち込んでいる描写くらいは入れてほしかった。
でないと先述のセリフがあまりに唐突過ぎて、心の動きがさっぱりつかめないと思います。
その他にも中途半端な改変で全体的に流れが不自然だったと思います。
結論:面白さを削って内容を分かりやすくした天地明察の入門編が映画版である
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