「短歌を一首『塞ぐ瞳の 乙女導く 死のルール 胸のざわめき 染まる空席』」Another アナザー 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
短歌を一首『塞ぐ瞳の 乙女導く 死のルール 胸のざわめき 染まる空席』
世紀の大凡作『貞子3D』で貞子を務めた橋本愛がヒロインを連投し、上映イベントでは貞子が登場していたので、リングシリーズと関連性があるんかなと思い、劇場へ向かった。
しかし、忙しなく人が死にまくる以外は全く関係無く拍子抜け。
貞子って単なる賑やかし役やったんかい。
昭和シリーズ末期のゴジラみたいな扱いで、何か痛々しいなぁ…。
女生徒の顔面に傘が突き刺さったり、首が切断されたりetc.死に方がエグいだけで、面白さも怖さも皆無に近い。
致命的なのは、クラスの運命を握る《死のルール》がグダグダやった事に尽きるだろう。
まず、クラスに根付く死者への生贄として、毎年、クラスで1人“いない者”役を選出し、卒業するまで全員で一斉に無視する。
無視してる分には、大丈夫やけど、話し掛けたりして友達になったらアウト!
クラスメイトor家族の誰かが死んでしまうって怖いなぁ〜怖いなぁ〜怖いなぁ〜〜by稲川淳二
って、寄ってたかってシカトしてイジメてるだけやないか。
今年の3組は、主役2人がビンボーくじ引くんやが、授業中、屋上で仲良く弁当食うて何か楽しそう。
っていうか、単に学校サボってるだけやろ。
その間にバンバン死にまくって、クラスの奴らが叫ぶ。
「違う!この方法は違う!!」
気づくの遅すぎやろっ!!
結局、辿り着いた結論が
「クラスにいつの間にか死人が紛れ込んでいるから、そいつを探して殺せばいい」
何ちゅうアバウトな…。
つまり、「死者を殺せば生徒が殺されるのが終わる」
というアホみたいな法則を見出す。
んじゃ善は急げってクラス一同、夏の合宿所に向かい、死者探しに精を出す。
が、おもいっきり見切り発車やので、無論、誰が死者が解るワケがない。
即刻、殺し合いに発展。
余計、死にまくって、防ぐどころではない。
しかも、8月ってもう1年の半分過ぎてるやん。
もうすぐ2学期やん。
どっちみち手遅れやろ。
あまりにも本末転倒な血祭り地獄に呆れて、眠くなった。
第一、あんなに大惨劇が毎年繰り広げられているのならクラス間で協議する規模の問題ちゃうやろ。
学校や警察がノータッチだったのが不思議でならない。
そして、いい加減、旧校舎取り壊しなよ。
いつまでほったらかしやねん…。
呆れて観てると、唐突な真相に唖然。
何一つ解決していないのにめでたし、めでたし…。
突っ込む気力すらいない者と化した