ももへの手紙のレビュー・感想・評価
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ちょっと長いかも・・・
家族愛や絆をテーマにしたアニメですが、妖怪も登場して一風変わったテイストの作品になっていました。 小さな島や海などの光景に懐かしい美しさがいっぱいで、妖怪たちと共存しているところも魅力です。 ただ登場する妖怪たちがちょっと図々し過ぎ。 でも温かさと思いやりに溢れていて、特に物忘れの激しいマメはかわいらしく、意外とかしこいところを見せてくれたりするのもポイントです。 驚いたのは、優香さんのお母さんがものすごくナチュラルで上手だったこと。 妖怪たちの悪戯に裂く時間を、もう少し違う内容に変えても良かったかもなんて思ってしまいましたが、胸キュンの日本ならではの作品でした。
大人も楽しめるアニメ作品
試写会にて 物語としては、父の死により故郷の広島へ戻る母娘。 そして妖怪3人組との日々により、成長していく姿。 よくある最初は、無気力・都会に戻りたいモモなので、 なんか、よくあるストーリーって気にはなるのですが、 妖怪が姿を現してから、声優人もあって面白い。 そして最後には、ちょいホロリです。 個人的には、妖怪のマメがキモかわいい! でも、やっぱり西田敏行は、声だけでも存在感スゴイ。 難しい内容では全くないし、 あったかくホッコリ、そして笑いもあり 大人も楽しめる作品になっていて、 思っていた以上によかったです。
スタジオ○ブリの作品と比較するのは御法度!素晴らしいオリジナルのアニメーション!
背景や人物描写が緻密で丁寧、画が繊細で綺麗。 前作「人狼」もそうだが、沖浦啓之監督の演出には唸るばかり! 原恵一、細田守に並んで、日本アニメ映画の素晴らしい才能!(急逝した今敏監督も) 前作のハードな内容から一転、古今東西、誰もが共感出来る家族愛の物語がハートフルに描かれる。 不器用な母と娘の姿に、感情移入する事必至! 瀬戸内海の小島の美しい風景が郷愁を誘う。 そこにスパイスとして、“妖怪”というファンタジーをプラス。 この愛すべき心優しい3人の妖怪のキャラクターが絶妙! どこかで見た…とか、新鮮味が無いとか、そんな声がちらほら聞こえるが、全く気にならなかった。 家族愛、古き良きの日本、妖怪…シンプルな物語だからこそ、最後まで飽きずに見れ、笑えて泣けて、ずっと浸っていたくなった。 オリジナルのアニメ映画というのもポイント高い。 是非とも多くの人に見て貰いたい秀作!
ずっと心に残って勇気を思い起こさせてくれる作品となることでしょう。
誰でも口に出してはいいにくいけれど、大切な人に伝えたい言葉を持っているはず。でも伝えようとためらっていると、一度無常の風が吹けば、その大切な人は帰らぬ人となり、伝えようとした言葉は伝える機会を失って、後悔ばかり残り、自分を責め続けているひともいるかもしれません。本作に登場するももも、その一人だったのです。 つまらないことで父親を罵倒してしまったもも。言い過ぎてしまって、ゴメンと謝ろうとした矢先に、父親は遭難してしまい死亡。ももは父親に詫びるチャンスを失ってしまったのです。 その後、亡き父親の引き出しから、“ももへ”とだけ書かれた書きかけの便せんを見つけたももは、「ほんとうはなんて書きたかったの?」と天国に逝ってしまった父親の真意を求めて、自分を責める日々を過ごしていたのでした。 一見妖怪ものに見える本作のメインは、父親を失った母親と娘が立ち直っていく姿を描く喪失もの。大切な想いを伝えたいというももの気持ちがひしひし観客に伝わってきて、泣けてきました。そして、明るく気丈に振る舞う母親のいく子も、実は無理をしていて、夫を失った悲しみを封印したことが、持病であるぜんそくをこじらせるほど精神的に追い込まれていたのです。そんないく子の隠された思いが明かされるところも胸を打ちます。 そして悲しいのは自分だけでない、母親も同じ気持ちだったのに、全然解っていなかった自分を反省するときのももの素直で優しくなったこころに、また泣かされました。 ももは小学6年生。ちょうどこれから反抗期に入り、親離れしていく年頃になります。それに比べて、親の方は、いつまでも自分の子供という意識が強く、なかなか子離れできない人ばかりでしょう。そんな親子の意識のギャップが、本作のような伝えたくても伝えにくい言葉を生んでしまうのでしょう。“大切な想いを伝える”ために、愛するわが子へ、大好きなお父さん、お母さんへ、素直な気持ちで語り合うきっかけに本作はきっとなると思います。決して、先送りしてはいけません。なぜなら本作のように、人は明日まで生きて会話が続けられる保障などどこにもないからです。今という一瞬一瞬を大切に、後悔を貯め込まないで、伝えるべき言葉をリアルタイムで伝えたいものですね。 作品の舞台は、尾道~今治間のしまなみ海道が開通する直前の、架空の島である汐島が舞台です。瀬戸内の都市で育ったものとして、本作で描かれている瀬戸内情緒は限りなく実際に近く、懐かしさがこみ上げてきました。方言の言い回し、ほんわかした島民の人情。そして瀬戸内を包む柔らかくて優しい光と風。そのどれもが慣れ親しんできた瀬戸内の記憶にピッタリとはまります。そして古い家並みが、妖怪登場の伏線となっていったのでした。 本作でももに絡む“見守り組”と名乗る3匹の妖怪たちは、みんな人に対してフレンドリーで、優しく、愛嬌たっぷりでした。もののけ姫に登場する人間を敵視する妖怪たちとは大違い。妖怪といっても、実際は精霊界の住人なのでしょう。彼らの役割は、亡くなった人を天国へと誘い、故人の家族が悲しまぬよう見守ることでした。 普段は、人間には姿を悟られずに見守るのが通例ですが、ちょっとした手違いでももだけには、彼らの姿が見られるようになったのでした。しかも弱みを握られて、掟を破る禁じられたことを何度もももに命じられてやらされてしまうのです。 彼らが行った秘術のなかでもユーモラスで笑ったのが、天国へ紙の手紙を届ける儀式。この儀式のなかでお尻を付きだして踊る姿が可笑しかったです。 大切な人と死別は、絶望感に包まれるのですが、本作のように目に見えない存在から見守られている。少なくとも小地蔵や仲間のお地蔵さんから、見守られているといういう 感覚は大切にされた方がいいと思います。本作の3匹をイメージすれば、きっと悲しみが和らいでいくことでしょう。 妖怪たちを使って、天国に手紙を一応送ったからには、返事も期待したいところ。いつまでも、『ももへ』だけでは後味が悪くなります。ラストには、期待通りではないものののちょっとした奇蹟が起こりますので、ご注目を。 映像は、シブリよりも緻密でリアル。登場人物の感情をきめ細やかに描きだしていました。後半の嵐の中のシーンは、一転して迫力満天のダイナミックな映像が映し出されます。病で苦しむいく子に何とか医者を探そうと、単車に乗せてもらい、荒らしに荒れ狂う未完のしまなみ海道を突き進むというもの。本作の一番のハイライトとなるこのシーンでは、『トトロ』の「ねこバス」よりも巨大な妖怪空間が登場します。ももが乗車した単車を包み込んで、荒らしから守るところが、とてもダイナミックなんですね。 ラストでは、ももが仲間の学友たちに誘われるままに、橋から川へ勇気を振り絞ってダイブシーンが描かれます。島にやってきて、いろいろ体験し、気づきを得たももが一回り大きくなって、未来に羽ばたく決意をしたのだと思えました。見終わったとき、ただ良かったねというだけでなく、ずっと心に残って勇気を思い起こさせてくれる作品となることでしょう。
大人にも観て欲しい
劇場でアニメを観るのは体が大人になってから初めてかも知れないくらいなんですが、これが良かった!豪華声優陣は勿論、沖浦監督の原案・脚本が良いのでしょう。 親子や子供だけではなく、大人にも観て欲しい作品です。アニメには疎いのですが、ロケ地?が素晴らしい。瀬戸内の島へ行きたくなりました。親子ものから受ける個人的な感情の揺れについては言及を控えます(笑)。
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