「登場人物のリアル」ももへの手紙 なつめさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物のリアル
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現代っ子ってこういう動きするよなぁ、というももの再現率がまずすごい。
大人たちや知らない子たちの前では、つんとして愛想もなく、都会っ子丸出しの人見知り。でも、いざ母親の前や一人になると、だだをこねたり、畳の上でずりずり立ち上がらず動こうとしたり、おなか出して扇風機で涼んだり…一挙一動がすごくリアルでにやにやしてしまった。
ももと妖怪たちの関係も良くできていて、決して友情が芽生える訳でも、大好きになるわけでもない。お互いが自分たちの利益、損得のためにあくまで動いていて、でもほんの少し情は沸いている。そういうストイックさがまた好感。妖怪たちとの別れのシーンも、決して感傷的になりすぎないのが良い。台風のシーンものすごく格好よかった。
また、ももと陽太の関係もにやにやさせられる。陽太のキャラクターも非常にリアルで、なれなれしくしてくるわけではなくて、でも仲間外れなんて考えも及ばない感じが、島で、周囲の人間に囲まれて関わって育ってきた子なんだなぁ、としみじみ感じさせる。早く結婚しちゃえよ。
大きな感動シーンや泣きどころ、というのはなくぼんやりしていても観れてしまうけれど、良い映画だった。
あとトマトがすっごくおいしそう。
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