「残念」ももへの手紙 もここちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
残念
人狼は雰囲気からストーリーまで好きでした。
この作品も背景や人物描写がとてもよく、見るという意味では楽しめました。
ただ、ストーリーが残念すぎる。
空から降りてきた見守り組の3人の設定が曖昧。
なぜ肉体を持たない(であろう)彼らに物欲や食欲があるのか。
そして盗みもやめない理由は何なのか。
最初と最後を結びつけ、感動的に終わらせようという意図の元に
無理やりこじつけている気がする。
父と娘のすれ違いと喧嘩はリアルで頷けた。
でも母と娘の喧嘩の原因があれではあまりにも。。。
何故鏡を返してくれなかったのか、それも良く分からない。
母が島に療養に来たのも短いのに、そんなに馴染めるものかな?
幼少期を過ごした島ってことでいいのにとも思う。
妖怪が出てきたことで得られたのはインパクトだけで、
特に面白くはなかった。
それよりももっと突き詰めて、母娘のすれ違いを描き
無理して頑張り娘に弱さを見せない母と
それを見て父を忘れ、自分の寂しさを理解してくれないと悩む娘と
島に馴染む母と馴染めない娘で描く方が納得が出来たと思う。
父への手紙も妖怪に託さなくても、
ストーリー中に出てきた藁舟を介してやりとりできれば
それでよかったんじゃないかなぁ。
妖怪達に好意はもてず(よくも悪くも人間臭いだけの生き物)
最後の病院へとむかうくだりも説明不足
(ももが病院へ行くのはいいが、母をどうやって迎えに行ったのか、
物理的に無理そう)
大まかなプロットのみで進行して、物語の辻褄があっていない。
更に「犯罪はばれなければいい」って言われてるみたいで嫌な気分になった。
ももから盗むならまだいいけど、島の人達のものや食べ物盗むなよ、と。
そんな変なものがあとどれくらい地上にいるのかと考えてしまった。
作画が最高、音楽は可もなく不可もなく。
ストーリーは最低レベル、という作品でした。
期待していただけに残念です。