「してやられた^^;」貞子3D プリズムさんの映画レビュー(感想・評価)
してやられた^^;
僕にとって、ホラー映画の魅力は、まず第一に、恐怖を感じさせる
超常現象の表現手法や映像テクニック。
自分でも気が付いていなかった、新たな真の恐怖のツボみたいなものを
教えてもらえると感動です。
次は、謎解きの面白さ。ただ、ハチャメチャに
超常現象が起こるだけではつまらない。やはり、その原因を
謎解きする部分が欲しい。これがホラー作品にリアリティを
与えるものだから。
最後に謎解きの結果を受けて明らかにされる
深い人間の性(さが)や現実の矛盾。これを通じて、
作者の世界観や、科学や理性の相対性を感じられると、最高に
幸せ。これらを感じたいからこそ、観たいと思ってしまうのです。
リングの第1作には、これらのすべてがあった気がする。
しかし、この作品にはそれらがまったくない。
怖がらせる表現手法も、突然の大きな音を多用するなど、
月並みだし、謎解きも、リングや貞子の予備知識がある者にとっては
何の新鮮味もない。
この映画、観はじめて30分くらいでそう思い、ひどい駄作なのか、
と後悔しはじめた頃のことです。
「何かが足りない、いや…なんだか作り物のような」という刑事の
言葉に、女性がなぜか場違いな反論、「作り物?でも、世の中みんな
作り物ですから…」
この言葉で、まさか…って思いつつも、その後の展開を見て、
やられたって思いました。
というのも、この映画、ホラー映画ファンなら過去の色々な有名映画の
シーンをいっぱい思い出せる、パロディ総集編のように
なっているんですよね。
他の皆さんのレビューでも見かけましたが、エイリアンや、
ポルターガイスト、エクソシスト2、フューリー、
クリープショー、フェノメナ、
着信アリ等々。詳しい方ならもっといろいろ挙げられるかも。
足らないものとはもちろんオリジナリティとリアリティ。
でも、CGや3Dを駆使するなど、とにかく作り物ばかりというのが、
この映画のコンセプトだったんでしょうね。そう思ってから見直すと、
確かに面白いです。ストーリーは飾りです。リアリティを
求めたら突っ込みどころだらけです。
最初から、ホラー映画のパロディ映像集だと思って
楽しめば、けっこうおもしろいと思いますよ。
<というのも、この映画、ホラー映画ファンなら過去の色々な有名映画の
シーンをいっぱい思い出せる、パロディ総集編のようになっているんですよね。
なるほど、そういうことでしたか!
あれはバッタ女ではなく、エイリアンのパロディとして見るべきなんですね!
また、映画の楽しみ方が増えました!(笑)