「もはやコメディ、とりあえず笑うしかないないでしょ」貞子3D スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
もはやコメディ、とりあえず笑うしかないないでしょ
ブラウン管のTVから飛び出してくる「リング」の貞子は夢に出てきそうなぐらいのおぞましさがありましたが、本作の貞子は遊園地のアトラクション的な貞子で、怖さと言う点では皆無に等しかったですね。
あの寒気を催すぐらいの恐怖に恐れ戦いた貞子はいずこへ・・・。
まあPCやスマホや街頭のオーロラビジョンから飛び出してくる貞子も、ある意味今の時代の貞子って感じでアイデアとしては面白かったですけど、これで怖がれと言われてもちょっとねぇ、とりあえず笑うしかないでしょ・・・。
しかも後半のクモ型貞子は一体何?
モンスターパニック映画と化した終盤の展開には、唖然呆然。
そう言う映画(B級パニック物)ならそれはそれで楽しかったりもするのですが、貞子がこれはいけません!
モンスター貞子VSモンスター石原さとみって、もう何の映画だか訳が分からない(苦笑)
まあ石原さとみと橋本愛の美の競演にはうっとりでしたし、ホラーであることを忘れて夢心地な気分にはさせてもらいましたが、終わってみると全く納得できないストーリー展開に、苦笑いするしかなかったです。
しかし主人公の茜は何で特殊能力を持っているのか、この映画を見る限りでは謎過ぎでしたね。
こうなると方向性が全く違う映画になるのはある種必然でしょう。
それでいてあの結末、もう絶望的に脚本が酷すぎます。
孝則がモンスター茜に惹かれたのも、これだと単純に学生時代を演じた平祐奈が可愛かったからだけとしか思えないし・・・まあとにかく、いろいろと酷い展開で、当時酷評祭り状態になったのも概ね納得の内容でした。
ただ、平祐奈→石原さとみに成長だけはいいチョイスでしたけど。
貞子復活を画策する柏田の動機も、何かしっくり来なかったですね。
ニコニコ動画を5人しか見てないと言う突っ込みどころはまだしも、もう少し見る者を納得させるようなストーリー展開を見せてほしかったなぁ。
孝則の友人役の染谷将太の使い方も中途半端すぎて勿体無かった。
で、結果笑いどころや萌えどころには案外満足しつつも(そこは本来求められてないのですが)、ホラーとしては貞子抜きに考えたとしても相当微妙と言わざるを得ないでしょう。