「泣けたけど」わが母の記 sungoobashiさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けたけど
映像はキレイで、シナリオも演出も創りも悪くなかったけど……。
役所さんの「昭和っぽい」父親像、樹木希林さんの「そのまんま」のボケ老人像が、僕はウソ臭くてダメでした。
昭和の父親はもっともっと家族を顧みないことを「正当化」していたはず。妙に優しいところが作品を矮小化していた。「昭和の厳格な父」を演じているはずが「よくあるただの中年俳優」に見えてしまった。
仕事中心の考えは当たり前だと「家族を顧みない父」でいなければ、この話はドラマが小さくなってしまう。確かにエピソードでは描写されている、つまりそのシーンはあるのだが「佇まい自体」が全然厳格でなかった。
役所さんはいまは空回りする「ダイワマン」のキャラが一番合っている。
樹木希林さんは、リアルにやればやるほどフジフィルムの「綾小路さん」に見えてしまう。ボケる前までは楽しく見れたのだが、ボケてからはただのギャグ。40年近く前の「寺内貫太郎一家」から一貫して演じているキャラをやっているだけ。
この役、草笛光子さんとかがされたら、どんなに素敵な作品になったろうかと思う。樹木希林さんにはもう「ボケ老人」はやってほしくない。本人がそうであるように「スーパーおばあちゃん」を演じて欲しい。
一時の中井貴一さんもどんなシリアスな映画に出ても「ミキプルーンの人」、または「JCBのたぬきとカッパの友達」に見えて作品をぶちこわしていたように、役者がCMで「固定キャラ」を演じるのは、特にコミカルな場合、自殺行為だと思う。
ハリウッド俳優は本国では絶対にやらないからね。その分、日本とかでCMでて稼いでいるけど。
他の役者さんと、「昭和の世界」の作り込みはすごく良かった。
日本でこういう作品を成立させるには、やはりキャスティングに凝らないとダメでしょうね。でも「人気優先」でないとやはり客入らないだろうけど。
長塚京三さんとか斉藤洋介さんとかと、草笛さんか吉行和子さんで観てみたかったな。
あなたは制作側の意図するところを全く理解されていないですね。また、文面から察するに人生の機微を分かっておられないご様子なのでお若い方なのでしようね。
今後、この様な場で意見を述べられるには、更に人生経験をつまれ、熟慮されたうえで述べられることを希望します。
おっしゃることはわかるような気もします。が、頭が固すぎませんか?そんなことを言ったら役者はいろいろな映画に出れなくなってしまいます。
昨日、父と母を連れて行って観せました。同じようなご年配で満席でした。皆さん、樹木樹林さんが呆けてきたらますます楽しそうに笑っていましたよ。ほとんどの人がそうやって入り込んで共感できていたのなら、それでいいと思いますが。(聞いたわけではないので感想はわかりませんが、観客の受け具合で感じた限りの話しです。)