「ヴィンテージ品を見つけた感覚」莫逆家族 バクギャクファミーリア Sakuraさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィンテージ品を見つけた感覚
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もともと某配信サイトのマイリストに入れていて、気が向いたらみてみようくらいにしか思っていなかった。
もっと早くにみておくべきだった。
原作があることを知らなかったので、実写なんだと斜に構えることもなく素直にみれたのと
昔やんちゃしてた大人の青臭い感じが豪華なキャスト陣の演技力によって迫力のあり、
良い意味で歪な人間臭さの塊のような作品だった。
想像で言わせていただくと、昔の回想を新人俳優にやらせるよりも、あえて変えずにやることによってその時代に近い人たちがよりリアルに伝えてくれるので空気感とかも説得力があった。
自分の親世代の大人がボンタンを着て全速力で走ったり、殴ったりなんて滅多に見れないし
いつもアウトローな作品に出てる俳優さんはもちろん、普段は出ないような方々の迫真の演技に吸い寄せられるように観ていた。
村上淳さんは安定感のあるヒール役で観ていて惚れ惚れした。
最初は新鮮なキャラクターだなあなんて観ていたのも束の間、仲間の死を目の当たりにして
糸が切れたと言うよりも、切れていた糸が結び直されたように豹変し進んでいた時間が彼だけ巻き戻っていく。
最後の遊園地のシーンは鉄が周平にも、昔の自分にも語りかけるように
周平は昔の鉄の言葉を代弁するかのような交錯したセリフに鉄の人生の一部が報われたようで儚い気持ちになった。
ここワンカットで撮ったのか?!とか本当にこれ殴ってるのかな?!と気になるとこをあげだしたら
キリがなく、見逃しているところもきっとあると思うので必ず見直すと思うのだけど、
観るにはとても体力のいる作品なので、時間をおいてまた観たいと思った。
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