莫逆家族 バクギャクファミーリアのレビュー・感想・評価
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ブルース
原作を読んでたんだけど、何だかよく分からなく途中で読まなくなったのだけど、あぁこおいう話だったのかと妙に納得。
血は争えないって言葉を聞くけど、まさにそんな印象を受けた。
暴力の連鎖というか、遺伝子というか。
まぁ、それはそれとして、大人になるにつれ友達とは疎遠になるのが世の常で…それは家族っていう別のグループに属するがこそであるわけなのだけど、じゃあ、昔、抱いてたアノなんとも言えない絆はなんだったんだろうって話にも思える。
それをそのまま引き連れて、大人になって、個々に別々のグループに所属しながらも、そのままの価値観で生きていく。
仲間がやられたらやり返す。当然のように。
腹が立ったらぶん殴るし、友達も恋人も自分以上に大切だった。
だけど…それが出来ぬのは、責任が付きまとってしまうからに他ならず、そのルールから外れてしまえば安易に犯罪者と断罪される。
そんな葛藤を感じもするが…やっぱりよく分からなかった。
ただ1つ言える事は、村上潤さんが半端ない。
彼を観る為だけにこの作品を観てもいいと思えるくらい圧巻の強烈な存在感だった。
素晴らしかった。
息子同士の喧嘩もすっごい良かったなあ。
ヴィンテージ品を見つけた感覚
もともと某配信サイトのマイリストに入れていて、気が向いたらみてみようくらいにしか思っていなかった。
もっと早くにみておくべきだった。
原作があることを知らなかったので、実写なんだと斜に構えることもなく素直にみれたのと
昔やんちゃしてた大人の青臭い感じが豪華なキャスト陣の演技力によって迫力のあり、
良い意味で歪な人間臭さの塊のような作品だった。
想像で言わせていただくと、昔の回想を新人俳優にやらせるよりも、あえて変えずにやることによってその時代に近い人たちがよりリアルに伝えてくれるので空気感とかも説得力があった。
自分の親世代の大人がボンタンを着て全速力で走ったり、殴ったりなんて滅多に見れないし
いつもアウトローな作品に出てる俳優さんはもちろん、普段は出ないような方々の迫真の演技に吸い寄せられるように観ていた。
村上淳さんは安定感のあるヒール役で観ていて惚れ惚れした。
最初は新鮮なキャラクターだなあなんて観ていたのも束の間、仲間の死を目の当たりにして
糸が切れたと言うよりも、切れていた糸が結び直されたように豹変し進んでいた時間が彼だけ巻き戻っていく。
最後の遊園地のシーンは鉄が周平にも、昔の自分にも語りかけるように
周平は昔の鉄の言葉を代弁するかのような交錯したセリフに鉄の人生の一部が報われたようで儚い気持ちになった。
ここワンカットで撮ったのか?!とか本当にこれ殴ってるのかな?!と気になるとこをあげだしたら
キリがなく、見逃しているところもきっとあると思うので必ず見直すと思うのだけど、
観るにはとても体力のいる作品なので、時間をおいてまた観たいと思った。
緒方ァァァァ
三十代半ばにさしかかった元暴走族の主力メンバーたち。
過去と決別してそれぞれ仕事を持ち、平穏だがうだつの上がらない毎日を送っていた。
しかし、ある事件をきっかけに全員が再集結し、思いもよらない展開へと転がっていく。
火野鉄(徳井義実):若干17歳にして関東一の暴走族のトップになった男。今は見るも無残な姿で嫁にも息子に見下されている
火野周一(林遣都):鉄の高校生の息子。思春期真っ盛りにつき絶賛反抗期中
火野鉄新(井浦新):鉄の父親。幼い鉄と遊園地で会った日、失踪してしまう
川崎浩介(玉山鉄二):鉄と同じ施設で育った相棒①
横田あつし(阿部サダヲ):鉄と同じ施設で育った相棒②
横田真琴(山下リオ):あつしの娘。周一と付き合っている
渡辺満(中村達也):鉄の前に暴走族のトップだった男。殺人罪で収監中だったが出てくる
れん(石田法嗣):周一の前に突然現れた謎の少年
渡辺武(千鳥大悟):満の弟。クズ
夏目裕二(北村一輝):満がトップだったときに対抗していた男。超かっこいいやばい
五十嵐けん(村上淳):満の右腕だったが、シメられて精神不安定になり引きこもる
緒方透(新井浩文):五十嵐と同じ施設で育った弟分。五十嵐を全力で慕い尊敬している
前田梅(大森南朋):刑事だけど鉄たちの友達
ドンばぁちゃん(倍賞美津子):鉄、浩介、あつしが育った施設のドン
まずなんだこのキャスト!!
井浦様と北村一輝の共演というだけで最高にアツいのに、Nための徳井義実、阿部サダヲ、大森南朋、ちょっと前に好きだった玉山鉄二、そして最近好きな新井浩文。ひゃー!!!
原作はもちろん読んでないし、情報ゼロだけどキャストの魅力でレンタル!
そしたら!
案外めっちゃ面白くてね!バイオレンス!
思わず連続2回観た!!
登場人物が多過ぎて(上に書いたの以外にまだあと何人かいる)、しかも全員が全員ちゃんと自分のストーリーを持っていて、冒頭を適当に観てた一回目は中盤以降おもしろくなってきたはいいが「え?え?」ってなってるうちに終わった。
最初の方、夜の暗いシーンが多いんだけど、観たのが昼間だったから部屋が明る過ぎて何が何だかわかんなかったってのもある。
で、そのまま終わりにするには勿体無いと思ってもう一回観るに至ったのでした。
緒方のシーンは一回目も二回目も泣いた。。。
自分をとことん犠牲にしてまで五十嵐に昔の自分を取り戻して欲しいと訴えた緒方。
自分を救ってくれた五十嵐、一緒にデカくなる夢を見た五十嵐。
歩きタバコしてる回想シーンとかやばいでしょ。あれだけで泣けるのはなんなんだ。
新井浩文だからってのもあるけど切なすぎかっこよすぎだー。だめだー。あうー
園子温とかGONINとか、最近こういうバイオレンス系の映画ばっかり観ている。。。
新宿スワンも借りてきたし。。。
ネットの評価あんまり高くないけど、これはほんとに好きな映画。
親の責任って。
原作はもちろん知らなかった。が、劇場の試し読み冊子は読んだ。
でもここに記されていたのは横田(阿部サダヲ)の家庭エピソードで
ほんわかとしていて笑える話。
あら~^^;ぜんぜん違うじゃないの、この映画本編とは。
暴力…といっても、最近よく観かける殺人ゲームなどではなくて、
昔のヤクザ映画のような古臭いイメージの暴走劇が描かれている。
ちょうど私世代の暴走族の風貌^^;なので懐かしい画面ではあった。
いや~しかし、ケンカケンカ、血みどろの抗争と暴走。
この監督(熊切和嘉)ならではの暴力描写大連発といった感じで、
まぁデートムービーには(観ないと思うけど)やめといた方が良さそう。
でも当時の不良ってこんなもんだったんじゃないの、という暴走ぶり
なので(すぐカッターナイフ出すし)昨今の恐ろしい映像を観るよりは
ヘンな感想にはなるけど^^;まだ親近感があるというか、そんな感じ。
皆頭悪そうだったし(失礼)、唯一の砦が疑似家族の絆ってのがいい。
ただもうちょっと、ドラマ(脚本)に力入れても良かったんじゃないの?
というくらい、映像と中身のアンバランスが著しい。
ただでさえ傍観するしかない観客を、置いてきぼりにしてガンガン
話を進めていって、おざなりに過去を挿入してくるんだけど、へっ?
と思うほど分かり辛い。そもそも真っ暗な現場でケンカ抗争している
連中の血みどろの顔なんか見分けもつかない、誰がどうなったのか、
そこから今の関係性を読みとるしかないのに、あれじゃあ分からん^^;
スコーン!と子供時代に話が飛んだりするけれど、これも唐突すぎ。
この人誰!?と思うくらい堂に入っていたのが渡辺役の中村達也。
いや~怖かった、ナニあの顔。こんな俳優さんいたっけ?と思ったら
ミュージシャンだったのねぇ。俳優もやってるみたいだけど。怖ぇぇ~
あの顔でスゴまれたから^^;主人公の徳井なんて(ゴメンね)まだまだ…
まぁ普通に見てもお坊ちゃん顔だと私は思うんだけど、イケメンだから
それなりに似合ってる。でも、風格というか脇の俳優たちの凄味には
大敗している^^;まぁ仕方ないか。お父ちゃんとしての強さと包容力を
発揮し始めて以降、どんどんいい顔になっていくんだけど…。
原作そのものは(おそらく)いい話なんだと思う。
圧倒的に暴力シーンに負けてしまう話の骨子が、もっと描き込まれて
いれば、傑作になったかもしれないのに…と思うと勿体ない話だが、
親に遺棄されるなんてあり得ない不幸な話が、こうして大人になっても
消えない心傷を生んでしまうあたり、どうしてそんな責任も果たせない
親が子供作ってんだ、バカヤロー。と言いたくなる問題意識が広がる。
が。だからなんだよ!と云わんばかりに生活を築こうともがく面々に、
アンタらの子供達は皆まっすぐに親を見ているじゃないのよ、と思う。
男子が抱える父親への想いは尊大だ。
ぼやけた観覧車がハッキリと輪郭を示した時、あぁそうだったのかと
思ったら安心したかのように、心の中に熱いものが込み上げてきた。
(しかし五十嵐のあの白塗り姿に、違うエンタメを連想してしまったぞ)
ナベさんの存在感に圧倒された
ヤンキーバトルと覚悟していても、予想を超えた流血の連続…特に凶器が怖かった。恐怖に脅えて壊れた五十嵐と、彼を見捨てずにそばにいた男、ひとりの男の出所が時間を巻き戻して、最悪な事件を広げてしまう。こわいのに画面から目を離すことが出来なかったのは、ナベさんの存在感ゆえか。
玉山鉄二のホスト二人乗りが明るくて楽しかった分、襲撃後の姿はつらかった。北村一輝とサダヲちゃんのリーゼントがお揃いに見えて、そこは微笑ましかった。ブランキーのドラマーさんに持っていかれた感じ。
狂気の中のせつなさ
現実と過去が交差するスピードある展開に、生々しいバイオレンス。
そして冒頭の観覧車など、どこかノスタルジックにさせてくれる映像美。
スクリーンでないとこの映画の良さは伝わってこないような気がしました。
出てくる男たちは、結局暴力という方法をみんな選んでしまって狂気の世界に入っていってしまいますが、それがすごくせつないです。
主人公の鉄もなんとか平和的に解決できないか模索するけど、結局最後は怒りを爆発させてしまいます。
その後の瞳がとても悲しげで、ここが徳井さんが主人公に抜擢された理由かなと思うぐらいグッときてしまいました。
話が少しわかりにくかったり目をそむけたくなるシーンもありますが、友との絆を考えさせられたり、親子を考えさせられたりなど素敵なシーンがいくつもあります。
ぜひ、体感してほしい作品です。
せつなくもいとおしい男たち
ぜひ、劇場の大きなスクリーンと音響で、観てほしい映画。
夫婦や親子という家族の再生が一方ではあり、もう一方では、過去に囚われたまま、再生のきかない破滅の道へ進む男たちがいて。
すごくせまい世界で、抗いもがく男たち。
そんな男たちの姿を、映像の美しさと音楽の美しさが、一層せつなくていとおしいものに映しだしていて。
賠償さん演じるドンばーの、人生すべて乗り越えて来ました的な佇まいと、厳しい中に、深くにじみ出る母性が、すごくいい。
遠藤ミチロウさんの曲がかかり、鉄が、一人で闘いの場に向かうシーンは鳥肌が。
そこからの、クライマックスのアクションシーンの鬼気迫る臨場感。
爆発しそうな哀しみや怒りが、鉄の、狂気やまっすぐさとともに、痛いほどに伝わってきて。
徳井さんが、鉄役に選ばれた理由がわかった気がしました。
ラストシーンのあたたかい光には、すべてが浄化され、すべてが再生されていくようで、終わった後も、深い余韻が。。
今年観た中で、一番好きな映画です。
お馬鹿さんたちの切ないブルース
馬鹿(社会的には)でどうしょうもない、争いごとは殴り合いで決着つけるしかないと思い込む切ない男たちの群像劇。
主人公鉄(徳井義実)たちは肉親の縁が薄く不良仲間を疑似家族に見立て強い繋がりの「家族」を作って行く。
鉄と命がけの果たし合いをする五十嵐(村上淳)もまた孤児院育ちの孤独なアウトロー。たった1人の義兄弟の契りを交わした男が目の前で自決し、五十嵐は狂気に取り憑かれる。
物語の前半では、暴力から抜けて話し合いや友好を模索する鉄が、物語後半で怒りと復讐のため身を呈して一線を越えて闘う。
びしょ濡れになりながらの死闘シーンはトリッキーな五十嵐に肩入れする人も
必死の鉄に肩入れする人も双方心が痛くなるような臨場感がある。
今まで見たあらゆるアクション映画のなかでここまで身体の痛みを感じた作品はない。
徳井義実の語る瞳と表情、真剣過ぎて滑稽にさえ見えてくる村上淳の身体の動き。
凄いものを観た、と思った。
きれいな映像、ディテールにこだわった映画美術、挿入歌、役者の顔と肉体。
映画館で見るべき圧倒的な世界です。
琥珀色が似合う
遠藤ミチロウ「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。」の曲から始まるバイオレンスシーンはゾクゾクするくらいかっこよくてクライマックスの五十嵐と鉄の対決は、双方の狂気性が十分に表現されていて圧巻だし、ラストへと続く時間は興奮から切なさへ切り替わり最後の鉄の姿、心の琴線に触れて切なさMAX!映像の美しさ、迫力の乱闘シーン、挿入歌のチョイス、主題歌の切なさどれも自分のストライクゾーンでした。好みが別れる映画だと思いますが素晴らしいキャスト陣を一つのスクリーンで観れる贅沢さだけでも価値ありかも。主題歌のタイトル通り、琥珀色が似合う映画。
哀しい瞳
見終わって最初の感想は鉄(徳井さん)の哀しい瞳が印象的だった事、二時間がとても短く感じる程のめり込んで観てしまいました、クライマックスの五十嵐(村上さん)との対決シーンはアクションと言うより本当の喧嘩で凄い迫力でした。最後にほとんどセリフはないのに親子の絆が素敵に描かれいて、涙が止まらなくなります。観終わったらもう一度観たいな、って思う、そんな映画でした。
狂気の男
妄想に捉われ、やがて復讐に取り憑かれるいかれた男五十嵐を演じる村上淳さんが素晴らしくこの映画を観に行く価値があると思う。
暴力シーンはあっても美しい映像と音楽が心に残る。特にラストシーンは秀逸。
劇場で観て欲しい!佳作です♪
チュートリアルの徳井さんが主演初作品にして後半になるにつれどんどん演技がのってくる。
エキストラ乱闘シーンも見ごたえあり!!邦画でクローズ系のこの作品はやや80年代を意識したお父さんお母さん世代に、きっとウケそうなBGMもいい。
暴力的なシーンも描き方は思ったより良心的で女性のファンも最後まで観る事もできるのでは?苦手な自分が耐性があったので・・
また色々な事件がリアルに起こる現代で最後のシーンは製作者側の良心と見ていいのでは。
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