劇場公開日 2011年9月17日

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「役者陣の魅力が光る! 電光石火の追跡アクション」アジョシ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5役者陣の魅力が光る! 電光石火の追跡アクション

2011年9月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

ウォンビン主演最新作。
この方に対しては“イケメンの韓流スター”くらいの認識しか以前の僕には無かったのだが、
前出演作『母なる証明』を観てから考えを改めた。ああ、この人は本気だ、と。

さて本作、あらすじ自体はぶっちゃけ良くある話。
『レオン』『コマンドー』『96時間』等の変型ね。
しかしオーソドックスだからこそ役者や演出の力が物を言う訳で、
その点この映画は……見事に面白く仕上がっております。

特筆すべきはやっぱ主役・ウォンビン氏!
もう隅から隅まで格好良いっすよ。
暗い過去を持つ質屋の男が、唯一自分を心の拠り所にしてくれていた少女を救う為、
少女をさらった裏組織の連中を向こうに回して壮絶な追跡行を展開。
年端もいかない子ども達を紙屑のように使い棄てる悪党共を、電光石火の早業で叩きのめしてゆく。
その姿、まさに稲妻!
麻薬工場でのシーンなんか「そいつら全員ブッ飛ばせ!」と心の中で喝采を上げていた。
ひたすらに痛快である。

なかでもクライマックスのナイフでの格闘シーンは壮絶の一言。
高速のナイフ捌きが凄まじいだけではない。
残忍な攻撃を敵にわざと見せつけて怯ませ、
優勢を築く冷徹過ぎるその知性……シビれます。

苛烈なアクションを見せつつ、寂しげな表情から人の血肉が感じられる所も見事。
ラストは素直に泣けた。
最後の映像が、男の過去を描いたシーンとダブる演出もニクい。

そして少女を演じたキム・セロン。
可愛い。巧い。嘘臭さがない。
過酷な環境を生きる為の少々のしたたかさと、
人に分け隔て無く優しく接する純粋さ。
汚れた世界で死なせちゃいけない。そう思わせる健気さがあった。
主人公にとっては実の娘みたいに思えたのかな。

そしてもう一人。
そう、強敵・ベトナム人の殺し屋!
また良い表情をするんすよ、この方も!
寡黙だが、同業のプロに対する敬意と「こいつと本気で殺り合いたい」
というぎらぎらした闘志が眼から伝わってくる。
それと、絆創膏を貼られた時の表情……あれにはやられた。
あの表情のお陰で後の展開にも説得力が出たね。

ストレートに胸に迫るドラマ、それを支える細かな演出。
役者陣の魅力的な表情を巧く切り取って見せ、
見事なアクションを細かい編集で誤魔化すようなチャチな真似もしない。
エンタメとしてほぼ死角無しの秀作だと思います。
面白い!

おっと、雑貨屋の爺さんも忘れずにね。

<2011/9/18鑑賞>

浮遊きびなご
浮遊きびなごさんのコメント
2011年9月27日

ぅおっと、久々のコメントでドギマギしておりますが、
bibyさん、コメントありがとうございます!
折角コメント頂いたのに、丸一日ほっぽらかしだったようでスミマセン……。

いやぁしかし、ウォンビン格好良かったですね!
特に韓流ファンという訳でも無い僕からしても、本作の彼はンまぁ格好良かった。
『人体展』発言の社長も、話の分かる刑事さん(柄本佑に似てる)も、そのとぼけた相棒も、みんないい味でしたね!
良い表情(かお)する役者さんを揃えたもんです。

最近はダークな結末を迎える映画が多いですが、この映画はホント、久々にスカッ!とさせてくれる映画で大満足。
これならもう1回劇場で観てもいいかもなあ……って、
bibyさん既に6回鑑賞!?
凄ェ!!

浮遊きびなご
bibyさんのコメント
2011年9月26日

本当にアジョシの電光石火の一撃攻撃に思わず見とれてしまうくらい美しくてカッコいいウォンビンさんあってのこのアジョシだと思います。
また脇の俳優陣が皆オーディションで決まったと言うだけあって演技力も半端なかったです。セロンちゃんは天才子役と言われるくらいの名演技で、悪役ボスも子分も警察も友人も、光ってた駄菓子屋のおじいさんも出る人皆上手いです!!
時々ジョークもあって、刑事の助手も漫画チックな表情で、やくざのボスも人体展に売り飛ばすって・・リアルなブラックジョークで・・端々に現実味があって王道の勧善懲悪の
名作と思います。更にアジョシのカッコよさの意外性とリアル性があって新しい作品だと思います。最近には珍しい内容十分な後悔しない作品です。かく言う私は6回もう見ていますが回を追うごとに涙の量が増えています><怖くても後味が最高の作品です。

biby