劇場公開日 2011年9月10日

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「ぜひシリーズものにしてほしい」探偵はBARにいる マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ぜひシリーズものにしてほしい

2011年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

ツッコミどころ満載のシチュエーションの連続、だがドタバタにはならない。
〈俺〉という一人称でストーリーが進行するが、大泉洋の語りの多さも気にならない。そのあとにくる現実の符合あるいは真逆の展開で笑わせるユーモアのセンス。
ポンコツの車を、ビジュアルとサウンドの両面でアクセントにした味付けも効果的だ。
妙に熱くてダサイ探偵コンビだが、洒落た作品に仕上がったのは、この演出の巧さと主演ふたりの魅力だろう。
大泉洋も松田龍平もとくに男前というわけではない。だが、ふたりともキャラを引き立たせる味を持っている。正義感が強くがむしゃらに突っ走る〈俺〉と、ボーッとしているようで要領がよく、ケンカが強いくせに〈俺〉には従順な高田のコンビは息がぴったりで楽しめる。しかもボコボコにされても、ふたりともクールでスマートだ。まさにこの作品にぴったりといえる。

最近、悪役が多くなった高嶋政伸もいい。狂気を孕んだ悪党ぶりは中々のものだ。
ラスト近くでは観客の推理を惑わす仕掛けもあり、単純なハッピーエンドにはせず、人情を描いたところにこの作品の魅力がある。

これはぜひシリーズものにしてほしいところだ。
バーのマスターはもちろん、落ち目の桐原組を背負う相田、まずいナポリタンとコーヒーを出す喫茶「モンデ」の看板娘?峰子、夜の帝王?北海道日報記者・松尾などレギュラー陣になり得る駒がすでに揃っている。

マスター@だんだん