「先入観なく、見て欲しい」マイウェイ 12,000キロの真実 ●シメサバ●さんの映画レビュー(感想・評価)
先入観なく、見て欲しい
この映画を表向きな簡単な言葉で綴るとすれば「オダギリジョーとチャンドンゴン主演の韓国戦争映画」といった感じで、私も軽い気持ちで観始めた。
私は映画評論家でもなんでも無いし、趣味映画鑑賞という程でもないので、一人の普通の人としてこの映画を観て感じたということで書かせて頂きます。
沢山の人に観て欲しいから。
観てみたらなかなか凄い映画だった。
”長谷川辰雄”という日本軍、ソ連軍、ドイツ軍三ヶ国の軍服を次々に着替えることになった第二次世界大戦中に実在した人物を、オダギリジョーが演じて、その使用人の息子だったキム・ジュンシクという朝鮮人の役をチャンドンゴンが演じている。
観てもらえば分かるけど、朝鮮人に対してこれでもかというほど日本人が酷い。
こんなにかというほど戦争が酷い。
戦争に巻き込まれた人達の運命の残酷さが凄い。
生きているということに、人種も国も関係ない。
ただ、消せない歴史がある。
その上で、韓国の監督さんが、この映画を作ったということ、
あのエンディングにしたこと、それが一番感動的なこと。
それから、日本にオダギリジョー以外にこの役を引き受けられた俳優がいるだとうか、ということ。
絶対にいない。
日本ではなぜかオダギリジョーの評価が低過ぎる。
他にも過去にもいいお芝居の作品は沢山あるけど、とりあえずこの映画を観てから言って欲しい。
あとこの映画のもう一つ凄い点が、チャンドンゴンとオダギリジョーの台詞のほぼ全てが日本語だということ。
韓国の人気スター俳優のチャンドンゴンが、韓国映画上で、ほぼ日本語の台詞を話すという点。
これは、韓国人である監督さんが、日本人に観て欲しいからそうしたんだと思う。
嫌味だと思う人もいるかもしれない。だけど、それが真実なんだと思うし、その上で何を伝えたいかという真意を汲み取って欲しい。
爆撃シーンや戦場の場面も、やりすぎでは、お金かけすぎでは、と思うほど凄い。でも、そこまでしたいんだ、そうじゃないと伝わらないんだ、という必死の熱意がわかる。撮影中に人が死ぬんでは、、と思うくらい、ほんと。
私は元々戦争映画が好きじゃない。
人が沢山死ぬし、血が流れるし、とにかく辛いことが多すぎるから、、
だけど、観ないといけないのかなと初めて思った。
だから、とりあえず、沢山の日本人に観て欲しい映画だなと思った。