「主人公がいい子ちゃん過ぎて現実的でない。」一枚のめぐり逢い 覆面A子さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公がいい子ちゃん過ぎて現実的でない。
以前、ハリウッドに 華のある若手俳優がいないと嘆いたことがあります。
スターウォーズ episode2」のヘイデン・クリステンセン?
「トワイライト」シリーズの「テイラー・ダニエル・ロートナー?
「パーシージャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマン?
いやいや「ザック・エフロンだよ」と他の方から言われた際
あまりに「ハイスクール・ミュージカル」と「眉毛」の印象が強くて
思わず「う~ん」と言ってしまったけど
以前DVDで「きみがくれた未来」を見た時
既に大人の顔になろうとしているザックに強い興味を持ちました。
「きみがくれた未来」の彼の「大人への脱却ぶり」は
既に記事にしたけど、今回もザックの演技がすごくいい。
そして顔立ちも「甘い」から「凛々しい」に変わり
もっと四角い印象だった面影が、すっきりとして来て
これはひょっとしていい役者さんになるのかな?と期待しました。
何より甘く切なくキラキラ輝く眼光がすごく良い!
こんなに眼ヂカラのある俳優さんもなかなかいないかと。
で、まぁ そんなこんだで
「一枚のめぐりあい(原題:The Lucky One)」です。
Ripreさんよりご招待を受けて試写会参加が適いました!
人気恋愛小説家・ニコラス・スパークスの
『ザ・ラッキー・ワン」』を映画化したもの。
いくつかの個人的「ツボ」を。
(1)ザックエフロンの役作りの意気込み
役作りために撮影開始前の数か月
実際の上級軍人より指導を受けて
激しい訓練に臨み、また海兵隊のキャンプ地を訪れて
実際の体験談を聞く事に多くの時間を持ったことで
兵役を終えて尚抜けない
「ピリピリと肌をざわつかせるような緊張感」を
繊細に演じています。
ちなみにそんなナーバスさと真逆に9kg体重を付けた
エフロンのマッチョな肉体改造も凄いですね。
(2)戦争シーンの描き方
戦争で彼がハンヴィー:(高機動多用途装輪車両を
運転している時に受けた攻撃の悲惨さの撮り方が面白いです。
普通は引きで撮って「ドガーン!」って感じですが
敢えて爆風に顔がひん曲がるザックのみを引きで時間をかけて。
なんか彼の受けた「痛み」というものが派手な爆撃シーン以上に
伝わってくる一コマでした。
(3)主人公に惹かれるにつれ徐々に
フェミニンなファッションになっていくヒロイン。
最初はそっけない服を着てるのに気になって来るにつれ
徐々にフェミニンになり
とうとうスカートか!みたいな?(笑)
彼女の服を観ていても
だんだんと惹かれて行くさまが撮れて面白かったです。
(4)すっごい我儘で傲慢だけど、実はそんなに
悪い奴じゃないと思える「ヒロインの元旦那」。
ヒロインの元夫に関しては本当に憎々しく描いているのだけど
息子思いの強さに彼の元来の人間性は出ています。
最初「ヒロインはなんでこんな男を好きになったのか?」って
設定に無理がある様にすら感じたけど
最後まで見て実は主人公よりよほど人間性が出ていて
良くいるタイプなのかも…って思えました。
(5)エフロン演じるローガン・ティーボウの背中の入れ墨
「all glory is fleeting」と書いてあります。
この言葉を使った引用例はナポレオンの格言が有名で
Glory is fleeting, but obscurity is forever.
(栄光は儚い、しかし無名は永遠に続く)
という言葉があるみたいです。
これ、背景とか良く分かりませんがネガティブ解釈と共に
栄光はすぐ消えちゃう=だから「今」を楽しめという
ポジティブ解釈としても引用されることが多いみたいですね。
(補足)歩きすぎ・エフロン
主人公は「コロラドから歩いて来た」と言いますが
実際何処からどこまで、どの位、
どんな距離をどんな風に歩いて来たのでしょうか?
実は舞台となった土地の撮影はゴーストタウンで行われた様で
「架空の地」なため、具体的な数字は割り出せませんが
目安としていうのであれば撮影地は
ニューオーリンズ・ミシシッピ川の最南端ポートイーズだそう。
その距離調べてみました。グーグルで。
直線ベースで2079km、主人公、歩きすぎですww
ここまで歩いて意中の人がいなかったら、どうする気なのでしょう?
でも思うに、彼は戦争でたくさんの戦友をなくし
精神的にかなり疲弊しています。
戦時下、写真だけが彼の支えであった様に
戦後、「写真の女性を探すこと」だけが
彼の唯一の使命=生きる意味だったのかもしれず
2000キロ以上歩いた事は、彼の精神を元の状態にリカバリする上で
必要な時間だったのかとも思えます。
そういう意味において写真は退役後の彼をも救ったのかも。
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さて、では最後に感想を。
「エフロン」は寡黙で力持ちで
真面目で思いやりがあり、良く気働きし
セクシーで、キスもブラのホックの外し方も上手な
どこをどうとってもいい男。
カッコ良い上にどこか影のある憂いまで秘めています。
でも、あまりに「いい子ちゃん」過ぎて、
なんか鼻につきました。
(エフロンが…ってことではなく『役設定』がという意味で)
よほど我儘で傲慢なヒロインの前夫・
キースの方が人間らしく思えちゃいました。
恋人と一緒に観ても男性陣、楽しめるかな?と思ってしまったり。
見るなら気の置けない女友だちと観に行くのが正解でしょうか?
ちなみにテイラー・シリング演じる
ヒロイン・ベス・グリーンは役者さんとしては27歳、
高校時代に妊娠した息子が7歳の時点で主人公と知り合うから
実年齢とほぼ合った役柄設定。
だけど既に母親であり
主人公に救いを投げかける「慈愛に満ちた写真」に合う人…
…ということで なのか
あまり可憐さキュートさとかセクシーさとか
男性のツボ的な所はないかも?
「きみがくれた未来」の時も思ったけど
ザックの相手役の女性って地味目かもしれません。。