劇場公開日 2011年4月9日

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「ホラーではない 真実を訴えようとしている」ザ・ライト エクソシストの真実 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ホラーではない 真実を訴えようとしている

2011年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

難しい

まず色彩の美しさに目を見張る。わずかにシアンが乗った色調が美しい。カメラの構図も綺麗だ。

エクソシストを扱った映画は、74年のリンダ・ブレア主演による「エクソシスト」を筆頭に数々作られてきたが、今作の特色はホラーではないことだ。悪魔に取り憑かれた人間の首も回らなければ緑色のヘドも出ない。この手の作品としては異例にソフトだ。

現在も実在するバチカン公認の職業、エクソシスト。はたして悪魔は本当に存在するのか、疑いを持って映画を見つめる観客の目は、信仰を見失ってしまったアメリカの神学生マイケルの目と一致する。
悪魔の存在を否定しながらも、ルーカス神父のもとに通い続けるマイケル。その門を開ける手は、一抹の可能性を捨てきれない観客の手そのものだ。

信仰への迷いを払拭できずに悩む神学生マイケルをコリン・オドナヒュー、一流のエクソシストと称されるルーカス神父をアンソニー・ホプキンスが好演。怪演で知られるホプキンスだが、今作では落ち着いた演技を見せる。それはある意味、この作品が単に作り話ではないことを物語っている。悪魔が実際に存在するかどうかは別として、バチカンには悪魔払いを専門にする部門が実在するというのだ。
悪魔の存在を疑いながらも、もしかという気持ちが真実を解明していくストーリーを通じて、エクソシストという職業の存在が明らかになる。

誤解のないように。これはホラーではない。真実を訴えようとした物語だ。

マスター@だんだん