東京公園のレビュー・感想・評価
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これでよかったの?って思う。
優しく穏やかな時間と美しい三浦春馬さん
大福と春馬くん
観ていただきたいのは
富永が確信的な言葉をついに発して光司が目を点にしながら大福にかぶりつく所
………
初回はこの映画の意味がよく分からずすぐに2回目をすぐに見ました。
一枚フィルターを通して人との関係を築いている光司。
それが心地良いのか最初の女性である母との事のバランスを取るためにそうしてきたのか。
それぞれの女性とまっすぐに向き合えない光司
後半になりその関係を見直す時が来る。
あぁ、大福と春馬くん、今まで結びつけた事のないアイテム。
どうして大福だったのか。そう大福でないといけなかったのだ!!
女心のわからない春馬くん
なんだか不思議な物語を観ているようで、とても人間臭さの残る映画でした。
決して器用では無い主人公の光司を三浦春馬くんが演じていました。彼の作品にこんな映画があることを知らなかったので、鑑賞できてよかった。
血の繋がらない姉と弟。
大切な人を突然失う経験をした女性。
ゲイなのに過去に結婚を経験したバーのマスター。
愛している妻を信じられずに尾行を頼む歯科医の夫。
彼らそれぞれに物語があり、心の中にそれぞれの想いがあり、その人達に関わる主人公。
カメラを生業にしていけるのかどうか悩みながらも、公園で家族写真を撮る。そもそもの彼の写真のルーツが家族であったり母親であったり。
分かりやすいストレートな言葉があったりするわけでもない中で、長年お互いの心に秘めてきた想いを静かに開ていく光司と姉(小西真奈美)のシーンは、今まで観てきた映画にはない新鮮さがあり。とても静かで、でも2人の想いの強さを感じずにはいられないほど力強く美しく儚いシーンでした。
小西真奈美さんの表情がとってもとっても印象的でした。どうしようもない恋というのは、なんと切ないものなんでしょうか。をこれでもかと見せつけらました。
個人的にはモテモテ男子役の春馬くんが好きですが、女心が分からない役もとても素敵でした。
見つめあう。
主人公が追う女性は東京の公園をあちこちと巡っているが、女性はまるで...
アンニュイ?な雰囲気
人生ですね・・・
「まるで公園みたいだ」「いいもんだな公園も」
映画「東京公園」(青山真治監督)から。
「公園」に興味があり、タイトルが気になって観始めたら、
故・三浦春馬さん主演で、ちょっぴり切なくなってしまった。
作品中、公園に関する表現が2箇所あった。1箇所目は、
「君さ、もしもさ、何も知らない宇宙人がやってきてだね。
東京ってどんなところか訊いてきたとするね。
君ならどう答える?」と、彼が唐突に訊かれるシーン。
「宇宙人ですか?」と訊き返すと、
その人は、ここぞとばかりに、こう説明する。
「そう宇宙人。地球のことは何も知らない。
僕ならこう答える。東京の中心には巨大な公園がある。
東京はその公園を取り巻くさらに巨大な公園だ。
憩い、騒ぎ、誰かと誰かが出会ったりもする。
僕たちのための公園、それが東京だ」
えっ、これがタイトルの意味?、それを台詞で説明しちゃう?と
少しばかり、驚きを隠せなかった。(笑)
そして2箇所目は、ラストシーンに。
「君の写真は被写体をあったかく包んでいる。まるで公園みたいだ」と、
カメラマン志望の大学生・光司が誉められる。「公園?」と訊き返すと、
「君と話してると、まぁのんびりやってもいいかなって気がしてくる。
いいもんだな公園も」「えぇ、公園好きです」と会話が続く。
公園には「あったかい」「のんびり」ってイメージがあるようだ。
公園がテーマなのか、写真がテーマなのか、微妙だなぁ。(汗)
繊細な女心と鈍感な男心
公園で家族写真を撮っていたカメラマン志望の大学生・光司は、ある母子を撮ろうとしていたら、男に難癖をつけられる。ところが後日、男からその母子を尾行して写真に撮って欲しいと頼まれる…。
「ユリイカ」「サッドヴァケイション」の青山真治監督が、三浦春馬らフレッシュな面々を迎えて贈る、男と女の繊細な人間模様。
青山真治の作品は少々取っ付き難い作品が多いが、本作は柔らかな語り口でスッと入って行ける。
光司を演じるのは、三浦春馬。「恋空」や「君に届け」などで女の子の理想の男の子のイメージが強いが、等身大の青年を自然体で好演し、今まで一番身近に感じる役柄に好感。
光司を取り巻く3人の女性に、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥。この3人がとても魅力的!
榮倉奈々は仲の良い幼馴染み。ゾンビ映画が好きなちょっぴり不思議ちゃん。2人の間にもう一人、光司の同居?男性が関わっているんだけど、実はこの同居男性は…。
小西真奈美は血の繋がりが無い姉。弟想いでクールビューティー、時折見せるしおらしさがほんのり色気漂う。光司と2人きりのあるシーンのドキドキ感と、その時の小西の表情はこの映画最大のハイライト。
井川遥は尾行する女性。台詞は一言も無いが、その佇まいの一つ一つが美しい。
透明感のある爽やかな作品だが、掴み所がふわふわしていて難しい。また、ちょっとややこしい登場人物の関係図がネタバレになってしまう恐れがある。
ただ、一つ言えるのは、光司と幼馴染みと同居?男性の関係であったり、光司と姉の関係であったり、男と尾行女性の関係であったり、それぞれの関係を見つめ直して初めて大切さに気付く。男は女心に鈍感。
一風変わった感覚の映画。
公園が美しい
「東京の真ん中には巨大な公園がある」
「東京の真ん中には巨大な公園がある。」実際に東京に住んでいると気付かないものだ、東京にこれ程沢山の公園があったということに。
暴力や犯罪のない、穏やかで優しい空気感に驚いた。今回の青山監督は何かが違う。全編緩やかにふんわり柔らかく進む、青山監督が辿り着いた新境地。
まず印象に残るのは、ある意味本作の主役と言っていい公園の美しさ。色づき始めた木々の中を、落ち葉を踏みしめて歩く、ドット柄の赤いベビーカーを押す井川遥の美しさ。ミセス・ファッション誌から抜け出たかのような、上品で上質なカジュアルは観ているだけでうっとりする。最後まで一語も発することなく作品に華を添えている。
井川を含む女性陣が美しい。主人公の義姉である小西真奈美の勝気な凛々しさ、親友の元カノである榮倉奈々の無邪気な愛らしさ。しかし2人は心の中に大きな苦しみを抱えている。その苦しみが物語の終盤で解き放たれ浄化する過程が切なくも清々しい。
しかし本作の穏やかで優しい(あるいはのんびりとゆるやかな)最大の要因は三浦春馬演じる主人公のキャラクターだろう。彼はいわゆる今時の草食系男子だが、人の心に鈍感なのだ。だがその鈍感さは決して無神経さからきているのではなく、あくまで素直な性格から来ているので嫌味がない。彼は義理の姉や友達付き合いしている親友の元カノの恋心に全く気付かない。それどころか自分自身の恋心さえも。彼の鈍感さは人に対してだけでなく、同居人(?)である死んだ親友(!)に対しても、彼が何故未だに自分の側にいるのかも深く考えない。「成仏したいのならお祓いしようか?」と言う始末(←そういうことじゃないんだよなぁ)。余談だが染谷将太演じるこの幽霊の登場に驚かなかったことに驚いた(笑)。普通にゲームしたり昼寝したりしている彼を、主人公とどういう関係なのか(友人なのか、弟なのか)と思いながら観ていたが、正体が明かされた時「なんでやねん!」というツッコミではなく、「なるほどなぁ、どうりで顔色が悪いと思った。」と納得してしまったのだ。この幽霊の存在に違和感を覚えなかったのも、全て本作のどこかファンタジーめいた優しい空気感のせいだ。
被写体として何枚もの写真を撮っている女性が幼い頃亡くした母親に似ていることにも気づかない程鈍感な彼だが、周囲からの助言(相談に乗ってくれるバイト先のマスターがゲイというのが今っぽい)もあり、自分や相手(義姉、親友、親友の元カノ)のそれぞれの本当の気持ちを知ったうえで、きちんと答えを出した彼が、自分よりダメダメな大人の男に、キッパリと苦言を呈する姿に成長を感じ温かい気持ちになる。
現代人は忙しい、自分の気持ちや人の気持ちを思いやるヒマがない。日々の雑務に忙殺される中で溜め込むストレスを、公園で癒すゆとりを持たなければと思う。「東京の真ん中には巨大な公園がある」ことに気付けたら、きっと穏やかで優しい気持ちになれるだろう。
不思議な映画
何とも珍しい映画だ。
公園をテーマに繰り広げられる人間ドラマ。決して泣けたり笑えたりする映画ではない。
静かに淡々と観るものに優しく語りかけてくるほのぼのとした映画なのだ。
なので感動する映画=良い映画という人には不向きな映画と言えるだろう。
だがこの映画、なぜか郷愁を誘うのだ。期待と不安の入り混じった、入学直後の小学生のような不思議な感覚になって観ていた。
また登場人物それぞれの事情や悩み、人間模様も温かく描いている。見せ過ぎたり、語り過ぎたりしていないのだ。
また色彩にも凝っている。
井川遥のセリフの無いオーラだけの演技、小西真奈美の瞬きの演技、見事です。
決して誰が観ても面白いという作品ではないし、もろ手を上げてオススメするものでもないが、記憶には残りそうな映画ではある。
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