「あなたの悩み解消します!一気に忘れて、新しい自分になれるかも??」人生、ここにあり! Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
あなたの悩み解消します!一気に忘れて、新しい自分になれるかも??
この映画の原題は『SI PUO PUO FARE!』と言い、その意味は、『やれば出来るさ!』と言う事らしい。『人生、ここにあり』と言う日本語タイトルとは随分と違う意味で、驚かされた。
そして、映画を見た後は、やっぱり、『やれば、出来た!』と不可能と思われていた事態を克服して行った人達の様子をコメディータッチで、描いたのがこの映画。
この映画の舞台は1980代のイタリア・ミラノの精神病院。そこであった実話を基に作られたのが、本作品である。
原題の示す様に、『やれば出来るさ!』とは、異業種から、この精神病院に転職して来た、主人公の職員によって引き起こされる、今までとは、違う病院職員と患者との関係性と言うか、それまでは、薬漬けの治療でしか、病症の回復が図れないと固く信じられて、他の治療法の研究が充分にされていなかったイタリアの当時の精神病院における、新しい試みをコミカルに、そして丁寧に描き出して行く、本作は、実話であるだけに、笑いだけでは、
済まされない、現実の壁に、ゴツンゴツンと日々衝突の連続。でもその新しい変化を、決して諦めずに、前進して生きた人達の現実の日常が、全編に描き出される。時に笑い、涙する中で、『人が生きてゆく事って、何?生き甲斐は?人生の楽しみとは?』などなど色々見ている人、それぞれが、笑いの中で自分の人生や、生きる事を考えさせられる作品です。
『やれば出来るさ!』→『やったら、みんなにも出来た!』と言う登場人物全員の自己改革、変革ムービーです。それぞれのエピソードは映画をしっかり見て楽しんで下さいね。
きっと、この映画を観れば、自殺大国の日本の、いじめや、失業や、その他、何らかの理由で、生き辛さを抱えている人への、救いに成るかも知れない!と言いたい。
でも、そんな事書いたら、硬いイメージで、観るのが、逆に面倒と思う人が出てしまいそうですが、そんな理屈抜きでも、本当に楽しめます!
今迄も、身体障害や、精神障害、知的障害などなどをテーマとした映画は、数々有りますが、その作品は、ドキュメンタリーや、実話を基にしたドラマ仕立てや、フィクション、或いは、『シャッターアイランド』などの様なミステリーなサスペンス作品にしたものまで、実に様々。
『精神』或いは、『彼女の名はサビーヌ』などの映画に描かれているような、現在の大量の投薬、服薬に偏った治療法の弊害などを描いていた、ドキュメンタリーは、時に重く、障害者の家族や、当事者、医療関係者でなければ、理解し難い問題提議がある作品と比較して、この映画は、患者の日常を、改革しようと試みた職員と患者の日々を自然に語る事で、障害を抱えている人達も、障害の無い健常者と同様に、この世界、社会で生活し、或いは、健常者と同じ社会で生活する事、それを望んでいる、人達であることが、ストレートに見る人の胸に迫る、ハートウォーミングストーリーとも言えるこの作品。
この映画、不景気、リストラ、いじめをぶっ飛ばせ!!と日本を元気にする、痛快な映画で、元気パワーのてんこ盛りムービーだ。
この夏絶対にみんなに、是非観て欲しい作品として、一押しです!!
派手な、特撮ばかりの、大作ではありませんが、『映画、ここにあり!』『イタリア映画ここにあり!』と胸を張ってお勧め出来る、素敵な映画です。
家族で、親子で、友達と、勿論恋人とみても、絶対外れ無しのこの映画を見てね!!!