劇場公開日 2011年7月23日

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「組合こそ人生」人生、ここにあり! 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0組合こそ人生

2021年12月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

幸せ

1980年代のイタリア、精神病院の患者たちで構成された組合とそのマネージャーネッロの、実話を元にしたサクセスストーリー。

久しぶりのイタリア映画。
これは喜劇なのか、それとも悲劇なのか。
でも、少なくとも希望のあるとにかく良い映画だ。
組合についてはあまりよく知らなかったが、色々と勉強になった。
自分自身、はじめは精神障害者というフィルターをかけて見てしまっていたけれど、ネッロと組合員たちの熱量を見ていれば、そんなの本当にどうでも良く感じる。
「やればできる」
仕事だって恋だって。
松岡修造ばりの激励にこちらが勇気をもらった。

物語は後半急展開を見せる。
決してサクセスコメディだけでは終わらせない、彼らゆえの厳しい現実。
彼の母親がネッロだけに息子の写真を渡さなかったシーンがなんとも苦しい。
組合員たちは、恋をして良くも悪くも変わった。
「金の次は女だ!」と、ダンスホール行くためにおめかししている彼ら。
自分を責めるネッロを支える彼女。
組合には新たなメンバーが加わって、いつの間にか上達してるの寄木張り。
喋れないだけなのに威圧感半端ない理事長。
「フロだぁ!」と叫ぶ優しい心の彼に、彼氏100人持ちの彼女。
みんな愛おしい。
突き付けられる現実と真っ向から闘う彼らを描いた、とてつもない愛の映画だった。

唐揚げ