「ワケありの映像美学。」スマグラー おまえの未来を運べ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ワケありの映像美学。
原作はまったく知らなかったが、劇場予告は嫌というほど観てきた。
なので、、自分ではだいたいの物語が分かっているつもりでいた^^;
のが、大きな間違いだったことに気付く…なんじゃこりゃ~?映画。
「ワケありのブツを運ぶ運び屋…」あ~もうこれだけでだいたいは
あのハゲ男優(ゴメンね)が主役の面白映画を連想しちゃうんだけど、
これもその類だと(予告を観ても)信じて疑わなかった…のが間違いx
なんとまぁ!ここまでバイオレンスだとは!しかもムチャクチャ!に
流血の嵐、確かに漫画ならあり得る世界、、だとは思ったが、それを
実写でここまで映像化するのが(ある意味では)スゴイわ。石井克人。
なんというか…想像してなかった世界にポン!と置かれた観客たちが
言葉を失ったまま、、、最後まで観てしまった。あららら…みたいな^^;
だって皆さん、かなり呆然としてましたよ~立ち上がる瞬間とか。
ただ不思議なのは、あり得ない世界感の中、俳優が怪優として演技に
挑んだ面白さは堪能できたかな、と思う。安藤政信!高嶋政宏!怖。
物語がどうのということでなく、作家が観せたい映像を、観たい奴らに
観せてます。っていうだけの作品として捉えた方が分かり易い気がする。
異色な世界にどれだけ俳優達がハマれるか!?実験映画なのかしら。
妻夫木くん。
見事に主役を飾っているはずなんだけど(ゴメン)どうも役に合ってなく、
相方の永瀬や、松雪、阿部、小日向らの演技に救われた感じになった。
彼の演技が悪いのではなく(おそらく)方向性が違うような気がするのだ。
見事にすっぱ抜けてしまった安藤の怪演と比べてしまうと、ラストの
「ニヤリ」とした部分を除いては、なんかこう…(まぁ役柄のせいもあるけど)
彼である意味を感じさせる部分がなく^^;あの頭で号泣するシーンなどは
「悪人」か!?なんて思ってしまう始末。一口に演技派、とはいってみても
あらゆる方向に適合できる俳優なんてものは、おいそれと形成されない。
まぁ実験映画ですから。。。っていわれちゃったら元も子もないんだけど^^;
結局映画の内容の方は、かなりの拷問風景(高嶋兄、弟に続き人格破壊)
のあと、してやったり!な結末を迎えることにはなるが、ワケありのブツを
運んだワリに、ワケ分からないブツ切りドラマを観せられた感は残る…^^;
満島ひかり、少し前に薄幸な女を好演していたけど、今回もやるわねぇ。
(私だったら鮪のブツがいいですね。運びながら食べちゃいますね。ハイ。)