コクリコ坂からのレビュー・感想・評価
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時代の息遣いが感じれた良作
宮崎吾朗 第2回監督作品。
1作目のゲド戦記はまだ、見ていない。
なので、宮崎吾朗監督の作品は初見になる。
NHKスペシャルの完成までのドキュメントを見て
見に行く気になった。
監督と、あまり歳が変わらないのも
それで知った。
舞台は東京オリンピック前年の
昭和38年の横浜。
主人公の通う高校の様子や、
下宿屋を営む家の中を
町並みを
これでもかというくらい
丁寧に描いている。
その空気感が、
まるで、その時、その当時を
映し出しているかのような
錯覚すら覚えた。
インターネットもメールもなかったおかげで
考える時間は充分にあったよな、
と思った。
会わない時間、会えない時間が、
その後を豊かにする
そういうことがあり得た時代。
今の若者にとっては
これこそファンタジーだろう。
僕がそういう思いを抱いたほどに、
この作品は、
登場人物が息をしていたし、
画面から飛び出し生き生きとしていた。
宮崎吾朗監督の次回作にも期待が募る。
その世代でもないのに上手く描いてた
最高のジブリ作品
ジブリ作品で最も好きな作品
あの時代、思春期の主人公のささやかな心の動きは、彼女にとってはっきりし過ぎるほどの恋心。
それはあえて口にこそ出さなかったものの、あまりにもはっきりしていたので隠すことなどしないし、恥ずかしいことでもない自然なことだったのだろう。
ギターを弾き始めたころにこの作品の主題歌を覚えた。
あの、僅か短い間だけ感じた切ない気持ちを表現するかのようなメロディに胸が熱くなる。
ちょっとしたことで消えてしまうかもしれない。
そんな気配をあの曲から感じ取ることができるのは、そこに強い共感を感じるからだろう。
芽生えた喜びと同時に、その背後に忍び寄るようにある壊れの怖さ。
思春期の恋ほどそれがあからさまなことはない。
特に当時は確かなことなど何もなかった時代で、みんなが守りたがっているカルチェラタンの存続さえ不確かだ。
目に見えるように動く経済発展と兄弟たちの成長、そして去っていく先輩。
古いものはどんどん解体されて新しいものが建っていく。
そんなにはっきりと自覚しているわけではないが、自分自身も確実に変化していると、主人公は思っていたのかもしれない。
今のこの思い。
揺らぎようないほどはっきりした思い。
それを誰かが壊そうとしても、決してできないと。
今あるたった一つの確かなこと。
この青春時代の淡さに、私はどうしても泣いてしまう。
実際にそんな経験などないはずだが、そこになぜこんなにも強い共感が生まれてしまうのかわからない。
私にとって恐ろしいほど青春を感じる作品。
瑞々しい昭和の青春感
ノスタルジックな雰囲氣
誰か教育したほうが
先日テレビ放映されたのを観ました。
で、これ、過去に観たことある。
けどカケラも印象に残ってなかった、と気付きました。
ジブリなので絵も音楽も一定基準はクリアしてます。
あらすじは・・・一昔前の流行り?
たわいない内容ではあるものの、
これもうまく描ければ甘酸っぱい青春ドラマと
楽しめたかもしれない。
が。いかんせんつまらない。
説明は不足しているし、
それなりに人数が出るわりには
どの人物も多彩と言えるほどの味付けもない。
ヒロインも事実判明でほっとしたふうだが
その前にそんなに葛藤してましたっけ?
わかりやすい構成の組み立て方や
人物の掘り下げ、活き活きした動きなど
誰か教えてあげて。
立派な先輩達がジブリにはいるんだから・・・。
タイトルと設定だけ拝借
原作漫画は「なかよし」で連載されてるのを読んでいた…ような気がする。こと細かに覚えてないけど。「りぼん」に乗り換えた頃かもわからない。でも、スタジオジブリがアニメ化すると聞いた時、こんな古い、無名の作品をなんで?と思った。原作には、ジブリ好みのまっすぐで前向きな雰囲気もなかったしなぁ。でもまあ、結局タイトルと設定だけで、中身は別物であった。「風立ちぬ」もそうだけど、それなら原作なしでもいいんじゃないのだろうか。素朴な疑問。
ヒロイン海の食事作りが、くどいくらい丁寧に描写される。マッチでガスの火を点けるなんて、今の子は見たことないだろうな。昭和の風俗として、博物館で収蔵して欲しいわ。
カルチェラタンの建物はいい感じなんだけど、中にいる人達が暑苦しい。やたら歌うのもなんだかな~。あと、理事長を「閣下」って、気持ち悪い。学生の自治権を主張する割に、権力にすり寄るみたいで、なんか嫌だ。こういうのも描き方で受け取り方が変わりそうなので、やっぱ作り手のセンスなのかな。
ただ、物語に破綻があっても、声優はきっちり仕事してたし、絵は相変わらずクオリティが高い。あと、手嶌葵の歌が本当にいい。
日テレ金曜ロードショーを視聴。
長澤シワだらけやぞ‼️❓そんなはずは❓‼️ほんまや‼️❓
本気に応える
やっぱり才能は息子には受け継がれなかったのを痛感させられる作品 ゲ...
やっぱり才能は息子には受け継がれなかったのを痛感させられる作品
ゲドといいこれといいジブリでやる必要がない
独立してこれを制作したならまだしも「ジブリの」がどうしても付くからそうしたらこれはジブリではないにしかならない
もちろん独立して公開してもこれはヒットしてないのは言うまでもない
魅かれ合う男女が実は血のつながった兄妹であったという、まさに昼ドラ...
悪くはない…。テーマはなに!?
2回目で惚れた
昔観たときは良さがわからなかった。
確か、カルチェラタンって何?となってガリ版とか知らないし、劇中の歌も知らないから入り込めず、学生たちの台詞聞き取れなかったり理解できなかったのが大きいんだと思う。
今回は字幕をつけて観たせいか、理解しやすかった。
改めて観ると、風間父や理事長も声が小さいのとかすれがちなのとで聞き取りづらかった。
演出上そうなるときもあるだろうけど、台詞がわからずに物語を理解できず、それ故に良さがわからないのは残念すぎるから、そういうことがないといいな…
海ちゃん(メル)と風間の恋、メルと母の絆、父たちの友情、
学校も大切な舞台なんだけど、そこよりはメルと風間を中心とした人間模様に魅かれた。
パリが好きになったことで気付けたことがいくつかあった。
カルチェラタンが何であるか→パリ セーヌ川西岸の文化面で豊かな地域
海ちゃんのメルってフランス語で海をメールということからか!(トトロのさつきとメイを思い出したり)と自分で気付けたのも好きになった理由のひとつかも。
でもこういうことって気になると、わからないまま終わってしまうことで消化不良感から不満を持ちやすいから、簡単でいいから理解の手助けになるような、連想させる描写があるといいな。
昔の話だし、長女が自分を犠牲にして他人に尽くすのは当然だったのだろうけど、「お肉買ってきて」程度のお願いごとを聞かない妹弟、それを咎めるどころか「家政婦に頼まなかったのか」と訊ねてメルの落ち度かのように言う祖母にイラついてしまった。
(特に妹!姉の帰りが遅くなったのはあんたのせいなのに、手伝いもせずテレビかよ!!と)
横浜が舞台らしいけど、私はあくまで映画の中の世界が好きかな…
絵が美しかっただけに、写実的な現実に魅かれない。
吾郎監督の中では1番好きかな。
これぞ作画アニメ
タイミング合わなくて今になって観たけど、とにかく絵がいい。嫌味がなくて上品でさわやか。うっとり。これよ。これが私のみたいジブリなのよ。しかし肝心の内容は…
昭和のメロドラマみたいな路線を狙ったのかもしれない。確かにそれは宮崎吾朗監督の資質にも合ってると思う。
でも、当時の日本映画って、とはいえちゃんとしたドラマの骨格があるんじゃない?
私もそんなに本数観てるわけじゃないけど、少なくとも観終わって「この作品なにが言いたかったのかな」とはならないけどなー
いろいろと描かれてるはずなのに、いちいち舌足らず。トントン進むばかりでまるで心動かされない。そもそも最初の15分がダメだったし…カルチェラタンが出てからはちょっとワクワクしたけど、それもほんのわずかの間だった。
たとえば全校集会で突然みんなが歌い出すシーン、初めて参加する主人公は最初とまどって、それから時間差で納得する、みたいな段階あってもよくない?感情どうなってんの?
全編通してこの調子。登場人物たちがあまりに感情を失調してるので、ちょっとホラーを感じるくらい。
劇場で観なくてよかった。たぶん激おこで帰る羽目になってた。ダータなら腹も立たない。絵はいいし。
謎の下宿屋経営と父への思い、学校と「カルチェラタン」、淡い初恋と出生の秘密、などなどもしかして要素を盛り過ぎなのかな?
でも「海が聞こえる」はあの短さでもばっちりだったのになー。同じ脚本家なのに、なんでこう…
なにしろ引きってものがない。ずっと平熱。ケレンとかハッタリとかスリルとかサスペンスとか、そーいうのが一切なくて、終始凪。これをみる限り、きっと吾郎氏、お父さんと違っていい人なんだろうなぁ。
でも申し訳ないけど監督には向いてない気がする。
世界的名作、かつボリュームのある原作を現場経験もない人にいきなり2時間にまとめて!の前作はさすがに無茶すぎて同情した。でも今回は、もうちょっとどうにかなりません?と言いたくもなる。
絵はいいんですよ。なにしろサービス精神はないしつまんないけど…
音楽の使い方も合ってるのか外してるのか、もはやそれすらもわからない。
同じ手間をかけるなら、いっそ高野文子とかやってほしかった。
1960年代の横浜から
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